コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- 33 ( No.52 )
- 日時: 2012/01/28 21:59
- 名前: すずか (ID: sjdSvJ4p)
てっきりそのまま2人を引き連れ、生店長見学ツアーが始まるのかと思っていたんだけれど、どうやら2人は用事があったらしい。かなり後ろ髪を引かれながらも仲矢と別れて帰って行った。勿論雑誌は購入していた。仲矢も買った。俺も一応買った。卓巳もちゃっかり買っていた。物凄く本屋の売り上げに貢献した気がする。
「さてさて、お兄ちゃんのレアなお洒落姿もゲットしたところで、帰りましょーか!お兄ちゃんも見たがってたし!」
「帰りましょーか!」
「お前が言うと途轍もなく腹が立つな、その言い方」
俺も言ってから自分で思ったわ。
そこからバイトの為に仲矢と金物屋へ向かう。珍しく、卓巳は部活動として写真を撮りに行くとか言ってどっかに消えていった。あいつ何撮るんだろうな。前に聞いたら真面目な顔で『心霊写真』とか言ってたけど卓巳のことだし多分嘘だ。いや絶対嘘だ。
他愛もない会話をしているうちに到着する。仲矢といると時間が経つのが早すぎる。実はスタンド使いなんじゃねーか仲矢。
「ただいまー!」
「あーお帰りなさい。新さんなら今奥で裁縫してはりますわ」
元気よく仲矢が引き戸を開けて帰宅主張をすると、帰ってきた声は予想してた人物のものじゃなかった。というか聞いたことない声だし、まず見たこともない奴だった。誰だこの中学生。何でちゃっかり店番しながら携帯弄ってんの。
「ありゃ、ひーくんじゃないですか。ご無沙汰っ!」
「ご無沙汰してますー。相変わらずみーさんはテンション高いっすね。ちょっと分けてください」
「よーし任せろ、ほあー!」
「それで分けられたら世界の元気は平等に行き渡ってますわー。でもまあ気持ちだけもろときます」
テンションひっくいなこいつ。しかも何で関西弁なんだよ。ここ思いっきり関東地区なんだけど。というかみーさんって。何その親近感溢れる呼び名。俺も仲矢にゆーくんって呼ばれたい。仲矢と店長はこの謎の中学生と知り合いなのか。
未だに正体が分からないそいつの顔をちょっと観察してみる。一目見てイケメンだった。何で俺の周りこんなイケメンとか美女ばっかりなんだよ理不尽だろ。
学生服を着崩して、少し髪の毛がツンツンしている感じは中学生っぽく突っ張り気味な感じで年相応っぽいんだけど、何にせよそれが様になりすぎている。俺が中学生のころこんな出で立ちの奴がいても『アイツ背伸びしてるなー』とか『自分では格好いいとか思ってるんだろうなー』としか思わなかったけど、コイツはそれが似合いすぎる。これだけ崩した学生服を着こなす奴は金輪際見た事が無い。
ここまで観察してやっとわかった。コイツ絶対未来は店長クラスのイケメンになるわ。オーラが一緒だもん。
