コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

35 ( No.54 )
日時: 2012/01/30 22:50
名前: すずか (ID: qR5RLktN)

「なーなー、光に色々聞きたいことがあるんだけど」
「飽きるまでなら答えてあげますよ。あ、飽きました」
「ちょっと待てやコラ」

 何だろう舐められてる気がしてしょうがない。まだ会って5分なのに。

「軽いジョークっすわ。ほんで、何ですか」
「何でお前関西弁なんだ?」
「あー、昔大阪住まいやったんです。小3から小6まで。影響受けやすい年頃やから、そのまま染み付いてもうて直らないんですわ」

 ほー。通りで中身は関西人っぽくねーなと思ったわけだ。偏見が混じってるのもあるけど、冷めた関西人ってイメージとしてあまり浮かばない。

「ん?でも骨董品店ってずっとあそこにあるだろ」
「最初は両親も一緒にこっちに住んでたんすけど、両親が大阪に転勤命令食らったんすわ。ほんで、その後今度は海外へ飛ばされることになったんで、祖父ちゃんとこに舞い戻ってきたっちゅーわけです」
「へー」
「おお、今日のひーくんはよく喋るねー」
「何か雄人さんは弱そうな気がするんで」
「再び待てやコラ」

 舐められてる気がするんじゃなくて舐められてた。というか、これで良く喋る方ってことは、本来相当無口な奴なんじゃないか。益々店長じみてきたな。

「んー、相変わらずひーくんは生意気だね!でもそこが可愛い!」

 仲矢が笑顔で光の頭を撫でる。何それ羨ましすぎるんですけど。俺も仲矢に良い子良い子してもらいたいんですけど。
 それはそうと、仲矢の手が頭に触れた時、初めて光の表情が変わった。表情っていうか、若干顔が赤くなった。お?

「みーさんウザイっすわ。髪の毛くしゃくしゃになりますやん面倒くさい」

 口ではそう言いながらもどんどん顔は赤くなっていく光。

「何をー!減らず口を叩くなー!」
「ちょっ、頭揺れる」

 仲矢は調子に乗ったのか、頭を撫でるから髪の毛をかき回すに行動がシフトしてきた。

「なあ村山」
「何だ?」
「何で俺は光じゃないんだ?」
「嫉妬とか飛び越えてそこまで行ったか」

 あれ見たら高校にある『仲矢美鈴保ファンクラブ(はぁと』総勢約70名が光をリンチし始めるんじゃね。いや逆に光の顔見たら敗北感に打ちひしがれるんだろうか。

「これやからみーさんに絡まれるのは困るんっすわ。ホンマいらんことしいですね」
「はははー」

 顔は赤いまま視線を泳がせ、ちょっと口角が上がりかけてるのを腕で隠しつつ、口では文句をブツブツと言う光。

「村山」
「ん?」
「あれがツンデレというものか」
「その通りだ」