コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

36 ( No.55 )
日時: 2012/02/02 05:11
名前: すずか (ID: qR5RLktN)

「……何ニヤニヤして見てはるんですか」
「いやー。なあ、村山?」
「何にもないさ。ああ、光もいつの間にか成長したなあ」
「雄人さんもみっちゃんも途轍もなくウザいっすわ」

 トップクラスにウザかったらしい。途轍もなくって滅多に頭に付けねえぞ普通。
 突然、仲矢がポンと手を叩いてクルリと回転しながらこちらを向いた。何と可憐で華麗なスピン、流石仲矢。ふわりと広がる黒髪も素晴らしい。ちょっと右に体を傾けて手を後ろに組んで停止したのもまたよろしい。

「ところで、みっちゃんは何しに来たのかねっ?」
「あー、そうそう」
「おい村山てめえ!?」
「あ!?何だ突然!?」
「お前みっちゃんとか呼ばれてんのかよ!!何だよそれ!!」
「お前どこまで嫉妬力高いんだよ!?」

 思わず胸倉を掴んでしまったぜ!てへぺろとか言ったら許されるかな!!

「てへぺろ」
「死ね」
「すいませんでした」

 まあそうだろうな。相手が村山で良かったぜ。これが卓巳だったら蹴りか拳あるいは両方を食らっていた。本気モードで。

「んー?なんだなんだ、雄人くんもゆうちゃんって呼ぼうかっ」
「くぉ」
「何ですかその蛙潰してもうたみたいなアホくさい奇声」

 光が凄い冷たい目で思いっ切り見下してきたけど、今それどころじゃねーわ。仲矢にゆうちゃんって呼ばれる破壊力やばいわ。これ続けてたら身が保たん。

「……1週間に1回程度でお願いします」
「何だよその微妙な頻度」
「しょーがねえだろ死ぬだろ」
「死因は?」
「萌死」
「むしろ雄人さんの脳内が燃死してるんちゃいますか」
「さっきからお前容赦ないよな」
「関西人っすからしゃーないっすわ」
「しれっと嘘を吐くな」

 お前さっき関西住まいは3年間だけって言ってたよな。

「話全然進まねーな。光、ちょっと新さん呼んできてくれね?」
「了解っすわ」

 携帯をパタンと閉じて、奥へと消えていく。村山が苦笑しながら俺を見る。

「まー、ちょっと捻くれてるが仲良くしてやってくれ。悪い奴じゃないから」
「俺、新さん級のイケメンがこの狭い範囲内に2人もいるとか思ってなかったわ」
「普通そうだよなー。俺は小さい頃からずっと付き合いがあったからそういうの思ってなかったけどよ、中学の頃ぐらいに『あ、仲矢家と相原家って実は反則級の顔立ちしてんのか』って気付いたわ」

 それまでの村山の顔立ちハードルは常人とは比べ物にならない高さだったんだろうな。本人は割と平々凡々だが。