コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

37 ( No.56 )
日時: 2012/02/25 19:41
名前: すずか (ID: z/pBun1e)

「それで結局、何の用だ?」

 3パートも引き延ばしてしまった。茶々を入れる奴が多すぎる、俺を含め。

「あ、お前には言ってなかったっけ?俺今バンドやってんだけどさ」
「それは聞いたな」
「そうか。そのバンドのメンバーなんだよ、光と新さん」
「ほー」

 そういや店長はベースが弾けたな。「特技は何ですか」「全部です」の店長だからベースも人並み以上には上手いんだろう。

「光も楽器ができるのか」
「あいつはシンセと作曲だな。結構良い曲作るんだなこれが」
「何でこの界隈のイケメンはさも当然のようにモテスキルを揃えてるんだ?」
「イケメンだからじゃねーのか」
「成程」

 すげー納得したわ。モテスキルも含めてイケメンなわけだな。

「それで用っていうのは」
「みっちゃんみっちゃん、ジャジャーン!見て見てお兄ちゃんイケメンバージョン!」

 あなたのお兄さんはいつもイケメンですがね仲矢さんと思ったけれども、仲矢の得意げな顔がこれまた反則級の愛らしさなのでそんなこと言えない。村山はしげしげと雑誌上の店長を眺める。話を遮ったことを怒らないあたり、仲矢には割と甘い。というか未だかつて仲矢に甘くない奴を見た事が無い。

「おおー。イケメン度5割増しだな」
「でしょーっ?ふふー」

 今の仲矢さんは愛くるしさ度5割増しですがね。生涯見てきた中で一番可愛いどや顔が今目の前にあります。

「あたしがコーディネートしたんだから当然でしょ?」
「うわ相原さんいつからそこに!?」
「さっきよ!」

 さっきっていつだよ!つい一瞬前までその入口スペースは無人だったよ!すげーびびったわ今!!

「うわー風香さん。超久しぶりっすね」
「きゃー満君じゃなーい。しばらく見ないうちに大きくなっちゃって」
「半年ぶりぐらいですかね?背も伸びますよそりゃ、育ち盛りっすもん」

 光と面識があるならば、当然相原さんとも面識はあるわな。今の会話からして頻繁に会ってはいないようだけど。

「今日は仕事ないんですか?」
「今日の仕事は夜中のラジオだけだから、しばらく暇なのよねー。というわけで、新にちょっかいをかけに来ました!てへ!」
「てへっ、って」
「何よ年増のオバチャンは似合わないってー?失礼ねまだピチピチの23歳よ、失礼しちゃうわっ」

 語尾に星が付きそうなぐらいキャピッとした発言だけど、それすら様になってしまう相原さん。恐ろしすぎる。
 というか、今この店人口密度凄いぞ。綺麗どころ率も。