コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

40 ( No.59 )
日時: 2012/02/25 19:45
名前: すずか (ID: z/pBun1e)

「ん、俺の用はそれだけだ」

 あれだけ待たされたり遮られたりしていたのに、文句の1つも言わずに笑顔で要件を言い終わる村山。ほんとコイツ人が良いよな。俺的には卓巳より村山がモテるべきだと思う。全国の女子高生よ、村山となら幸せになれるぞ間違いなく。

「了解っすわ。あ、そういえば新さん」
「何だ?」

 持っていた学生カバンをごそごそと漁り、例の雑誌を取り出した。皆買ってるのなそれ。

「これ見ましたわ。学校でもネットでも凄い評判になってますよ」
「それは嬉しいな」
「あと推測も飛び交ってますわ。このえげつないイケメンは何者やって。情報が何もないからアホみたいな予測だらけで笑えますけど」
「ほう」

 まあなるだろうなー。匿名ってところも逆に話題を広げてしまったのかもしれない。

「特におもかったんはあれですね、コラージュ説」
「ぶっ」
「おもろいでしょ雄人さん」
「こんなイケメンは存在しない説ってことだよな、面白いなそれ」
「おめでとうございます、新さんは遂に人外認定っすわ」
「ありがとう」
「礼言うとこちゃいますよ」
「褒めてなかったのか」
「褒めてはいましたけどそこは突っ込むべきとこですわあ」

 店長関西人じゃねーからなあ。突然ボケをかまされても対応できない。むしろ普通の会話でも時々対応できてない。

「ねー新ー」

 今度は、未だに光から離れようとしない相原さんが店長に話を振る。

「ん?」
「またモデルする気ないー?さっき光が言ってたように、評判凄いのよ。電話が殺到したらしいわよ、モデル事務所とか他社の出版社から」
「……しばらくはやりたくないな。疲れる」
「ずっと能面棒立ちだっただけじゃないアンタ」
「視線が……」
「それとっても残念な発言ってわかってる?」

 これ店長が言うからやれやれ程度で済むのであって、リアル引きこもりとかが言ったら真剣に対人恐怖症可能性を考える発言だよな。