コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- 45 ( No.65 )
- 日時: 2012/04/11 22:06
- 名前: すずか (ID: 7XOfSzGy)
「到着っ!しゅたっ」
仲矢の超絶可愛い掛け声と共に、御一行は特設ステージに到着した。普段全く運動をしない俺と卓巳は、5分そこらのダッシュでももうボロボロ。
「……あー」
「しんどい……」
「雄人さんら、体力無さすぎっすわあ」
肩で息をする俺らを明らかに嘲笑の表情で蔑む光。運動万能な仲矢兄妹や、バスケ部の村山はともかく、こいつはあんまり運動をしているイメージは無いんだが。体も華奢だし。
「お前っ……何でッ……ピンピンしてんの?」
「いっつもチビどもの相手してますんで。そら体力も付きますわ」
「チビども……?」
まさか相原家には更に下の子がいるのか、と思った矢先。
「あっ、ひーくん!」
「ひーくんだ!」
「ひーくーん!」
上は小学校高学年、下は幼稚園入りたてぐらいの子供の集団が、歓声をあげてテコテコと光に群がってきた。適当に頭を撫で始める光。
「何や、お前等来たんか」
「ひーくんがお歌歌うってママが言ってた!」
「歌は歌わんなー」
「えー歌わないのー」
「ひーくん歌ってよー」
「あーかーんー。今日は新さんが歌うんやで」
「ぶー。じゃー遊んでひーくん!」
「また後でなー。もうちょい我慢しててや。ええ子にしてたら遊んだるからな」
「ほんと!ひーくん約束!指きりげんまん!」
「おー。ゆーびきりげーんま……」
そこらへんまで言った時に、ハッと光がこちらを向いた。みるみる顔が赤くなる。
「こ……これはあれですわ今日たまたまお守り頼まれて近所の付き合いがあるから仕方なくやってるだけでいっつもこんなことしてるわけやあらへんしゆびきりげんまんとかそないなアホらしいこと毎回チビ達と遊んでるときにやってるわけないですし」
「毎回やってるのか」
「結構な頻度で遊んであげてるのか」
「ちゃうって言ってるやないですか!!ちゅーか何ですかその無駄に慈愛に溢れた視線は!?」
こいつ根は良い奴だよな。前から思ってたけど。
「相変わらず光の俺突っ張ってますアピールは可愛げがあるな」
「ほんに良い子じゃのー」
「みっちゃんとみーさん後でしばく!!」
ツンデレだなー。