コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

47 ( No.67 )
日時: 2012/05/16 23:40
名前: すずか (ID: D7Jv2xwN)

「大根うめーな」
「案外いけるでしょ」

 大根舐めてた。普通にこれ美味しいわ。ベジタリアンへの道が開きそうな気がするぐらいにははまった。ちょっとこれから夕飯リクエスト集に追加しよう。
 揃って野菜スティックをもしゃってるうちに、村山が帰ってきた。座っているパイプ椅子の背もたれ側から光を覗き込む。

「あ、いいなそれ。光、俺にもくれ」
「ん」
 
 ヒョイと光が頭上にタッパーを掲げる。1本拝借した村山が、これまらもしゃもしゃしながら予定の説明を始めた。

「俺達の出番は3時半からですねー。15分前にここ集合で良いらしいです」
「……まだ10時半だな」
「長すぎすわ。みっちゃん、暇やで」
「色々やってるし、見て回れば時間潰せるんじゃねえの?」
「ま、雄人の言うとおりだな。どっか行くか」
「よっしゃー!どこ行きましょーか!」

 がさがさと音を立てながらパンフレットを広げる仲矢可愛い!でもそのままだとパンフ逆さまだぞ!

「んー……これは去年もあったなー」
「……これも前と変わらないな」
「去年と被りすぎやで、企画」
「だなー。組合さんももうちょっと頭捻ればいいのにな」

 商店街組がパンフを覗き込んで思い思いに評価を下す。結構辛辣だな。まあ、毎年参加してるとなると目も肥えてくるか。

「おお!」

 仲矢が何かを発見したらしく、少し大袈裟に驚きを表す。ちくしょー何しても可愛い。これ始まってから、俺何回仲矢可愛いって言ってるんだろうな。
 
「大地さんのお菓子屋がイベント参加してる!」
「あ、ほんとだ。すげー、めずらしー」
「……パンフのチケットでケーキが2割引きか」
「善哉は割引ちゃうんか。大地さんとこの善哉、ほんま美味しいねんなあ……」
「あー、私もケーキ食べたくなってきちゃった!モンブラン食べたい!」
「……」
「……」

 俺と卓巳の疎外感半端ねえ。つーか誰だよ大地さん。しれっと新キャラ追加するなよ。

「よし、大地さんとこで時間潰そう!行くぞー!」
「多少の説明ぐらいしてくれませんかね!?」

 完全に出発モードに入ったので流石に突っ込んだ。商店街組がハッとしたようにこちらを向く。

「あ、雄人と加賀のこと忘れてたわ」
「やっぱり忘れてたのかお前」

 すまんすまん、と爽やかに謝罪する村山。くそ、これだけ爽やかに言われるとネチネチ文句言えねえ。

「新さんの幼馴染に大地さんって人がいて、お菓子屋やってんの。お前知らなかった?」
「お菓子屋があるのは知ってたけど、行ったことなかったな」
「大地さん、滅多に外出ないからなー。ずっとお菓子作ってるし」

 ふと気になって聞いてみた。

「大地さんってイケメン?」
「新さんと並んでも見劣りしないぜ」
「だろうと思ったぜ!!」

 イケメンのインフレ化著しいな!