コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

48 ( No.68 )
日時: 2012/05/18 23:32
名前: すずか (ID: D7Jv2xwN)

 この商店街の若い衆は何なんだよ、上から下まで上質揃いにも程がある。
 村山がニカッと笑って肩を叩く。

「大地さん、気になるだろ?」
「物凄くな」
「よし、じゃあ行こうぜ」
「あ、みっちゃん」
「ん?どうした光」

 大根スティックのタッパーをしまいながら、光は村山と逆方向の通りを指差す。

「俺ちょっとあっち行ってる。ちゃんと時間には戻ってくるわ」
「はいよ。どうした?あ、時間が空いたからチビ達と遊んでやるのか。さっき言ってたもんな」
「ち、ち、違うわ!み、みっちゃんらと長いこと一緒にいるとう、うるさくてしゃあないからちょ、ちょっと1人になりたいだけやし!」

 そういえばさっき約束してたな。光くん律義ー。

「そーかそーか、それじゃあしょうがないな、おれたちはいくとしよう」
「何でそんな棒読みなんや!?ちゃうからな!!チビ達と遊ぶなんてせんからな!!」

 こいつほんと分かりやすいな。そして知れば知るほど良い子だな、微笑ましくてしょうがないわ。
 ぎゃあぎゃあ騒ぐ光と別れて、残りの5人は噂の大地さん宅へと向かう運びとなった。その道中。

「店長、大地さんってどんな人なんですか?」
「大地か?……性格は満とよく似ているな」
「いやいや、大地さんは俺なんかよりもっと良い性格してますよ」
「え、店長と同レベルのイケメンで村山の性格?欠点無し?」

 待て待て待て。店長は顔だけで性格の欠陥をあらかた補っている人間で、村山はぱっと見凡人だけど性格を加味するだけでやすやすイケメン領域に侵入する人間だぜ?何で大地さん良いとこ取りしてんの?そんな人出てきたらもう全員いらねえじゃねーか。

「何だその完璧人間。人間って欠陥があってこそ輝くもんだろ」

 良い事言ってるけど、卓巳の口からだと非常に同意がしにくい。こいつに関しては、性格の欠陥が顔の良さで間に合ってない。サディスティック星の王子様がとある漫画にいたけど、こいつはサディスティック星の執事長だ。しかも虎視眈々と王子様の座を狙ってる。

「大地の欠陥……?1つあると言えばあるな」

 あ、良かった。ちょっとほっとした。

「この前の健康診断で、後1歩で糖尿病だと診断されたらしい」
「うっわ生々しい」

 突っ込むに突っ込めねえ欠陥だな。普通に同情してしまうんだけど。

「お菓子好きが勢い余ったらしい」
「大地さんはほんとに甘い物好きだなー。そういえば昔、『彼女は甘い物だ』とか宣言してたよね」
「ああ、言ってた言ってた」

 あれ?ちょっと残念な感じが漂ってきたぞ?