コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- 49 ( No.69 )
- 日時: 2012/06/03 20:09
- 名前: すずか (ID: LTdV0xGg)
糖尿病に片足突っ込んでるイケメンに会うため、商店街通りを歩く。他の店でも色々画策をしているようで、食べ物系の店はほとんどが店頭売り出しをしていた。華やかでいい、人も多いし。
祭りにも似た雰囲気を楽しんでいるうちに、その大地さんとやらが経営するお菓子屋に到着した。店名は「甘党の隠れ家」。全然隠れてないけどな。堂々と鎮座してるけどな。
「人いねーな。流行ってないのか?」
店内を覗きこんだ卓巳が、早々に失礼な言葉を述べる。入ろうとしていた店長が、振り向いてその疑問に答えた。
「それはいなくて当然だろう。まだ開店時間ではないからな」
「じゃあ何で普通に入ろうとしてるんですか!?」
「仕込みは終わっているはずだ」
「お邪魔しまーす」
仲矢兄妹がさも当然のように入っていくので、ぞろぞろと連れ立って残りの3人もお邪魔する。いいのか。本当にいいのか。
人気のない店内は割と広かった。テーブルも3つ4つあって、店内お召し上がりが可能っぽい。全体を白で統一してある内装はかなりお洒落。金物堂とは月とスッポンぐらいスタイリッシュ度合いが違う。
きょろきょろと辺りを見回していると、ドアのベル音に気付いたのか、厨房から若い男の人が顔を出した。
「あ、すいませんね。まだ開店してないんですよ……って何だ、新か」
「久しぶりだな」
「そうだな。元気でやってるか?」
「ああ。問題ない」
「どうだ雄人、イケメンだろ?」
「……こりゃすげえ」
この人、顔レベルは店長にわずかに負けてるかもしれないが、服装とか表情とかを総合したら、イケメン度は店長越えてるんじゃないか。しかも顔が負けてるったって、それもう別次元で戦ってる前提だから。イケメンという言葉の山頂でバトってるから。
身長は170前後ぐらいで、店長より15センチほど低そう。明るい茶髪は、染めてるだろうにやったらサラサラ。キューティクル光りまくり。店長の目は真っ黒の切れ長だけど、こっちは茶色い瞳がぱっちりと大きい。それに身長も相まって、結構童顔に見える。制服を着れば高校生でも通用しそうだ。
そして何よりイケメンだった。表現的には店長は男前、この人は美青年だな。いや、美少年か?とにかく、ちょっとベクトルが違う。まあ、双方顔レベルがカンストしてるのは完全なる事実だけど。
顔を見ただけで衝撃受けたのは人生5回目だわ。仲矢兄妹、相原さん、光、そして大地さん。全部今年入ってからだし、全員山加商店街勢だ。この商店街化け物じみてるな。