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第十七話「危機」春光視点

パァン


一瞬なにが起こったのか、分からなかった。
でも、横たわる夏音を見て理解した。
先輩が夏音を撃ったんだって。

夏音はとても、悲しそうだった。
信じてた人に撃たれたからじゃなくて、他の理由で悲しんでるんだ。


「夏音ぇ！しっかりしてぇ！」

真奈が叫ぶ。
真奈がすごく泣いているよ。夏音、死んじゃうのかな？
そんなの嫌だよ…
死なないで…





ラエスは怒りをむき出しにしている。
親友を傷つけられて見て見ぬふりをするような子じゃないもの。
でもね、ラエス。先輩を傷つけたら夏音が悲しむよ？
だから傷つけちゃだめだよ…



「邪魔な人間は消す…」

先輩の言葉は、とても冷たかった。
いつもは暖かいのに…
あれ？そうだった？
どことなく悲しかったような…
わかんないよ……



「次は、お前たちだ…」

そういって銃を私たちに向ける先輩。


どうすればいいの…？




パァン




鋭い音が響く





怖くて目を瞑った。
死ぬんじゃないかって。




でも、生きている…


「ふぅ〜なんとか間に合った！」


この声は……夏音!?


声の主を見ると、夏音そっくりの少女がいた。

「怪我はない？」

夏音にそっくりな少女に私や先輩、サタンまでもがびっくりしていた。
夏音を見ると横たわったまんま。ってことは…

「ドッペツゲンガー…」
「先輩、ドッペ『ル』ゲンガーです。そしてドッペルゲンガーはしゃべらないはずです。」

後輩(文月)が教えてくれた。ホント、物知りだ…


「…私は夏歌！"稲峰　夏歌"だよ！」


え？

夏歌って死んだんじゃないの!?(死んだなんて書いていませんby夏樹)
でも夏音、人殺しって言われなかったけ？(色々あるんですby夏樹)

「私は、ずっと昏睡状態だっただけだよ？」
「…へぇ〜」
わけわからん。

「夏音が人殺しって言われたのは私が、生死をさまよってたから…」


それでいいのか！？
「それでいいのだ！」

…シリアスだったよね？シリアスだったよねぇ！！
なぜ、ギャグになるの…


「ロン、アイツらを殺ってしまえ…」

サタンが命令する。
先輩は銃を私たちに向ける。

一体どうなるの!?