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Re: 幸せの魔法!! ( No.59 )
日時: 2011/10/14 17:12
名前: 夏樹 りん ◆IP0D6MCWdg (ID: mP9fdSv/)

第九話「夏音」



———お前のせいで夏歌が!



アタシがなにをしたの?



———夏歌を返せ!



アタシ、夏歌を奪ってなんか……


———人殺し!


アタシ、人殺してなんか………


———お前なんか消えちゃえ!


———人殺し!


———あんたなんて、産まなきゃよかった———






ひどいよ、母さん。










アハハハハハハハハハハハハハハハハ





母さん、おかしいよ。

狂ってる_____







アタシ、もう、だめかな?


もう左目見えなくなりかけてるもん。


お母さん。アタシに八つ当たりしないで…


アタシ、もう体動かないよ…?





————ウゴカナイヨ————













「!?」



「ハァハァハァ、何この夢………」


怖くて恐くて仕方ない………


どうして?今更こんな夢を?


夏歌がアタシに夏音に戻れって言ってるの?



あんたのせいでこうなったのに………





あの時………




"夏音ぇ!"



"来るなぁ!"




キィィィィイィィ



"夏歌、来るなって、アタシ、よけきれたのに……"


"だって、なんか、体が勝手に…"






「アイツはほんとお節介なんだから……」




もう一度寝よう________











〜翌日 学校にて〜


「夏歌、元気ないね…」


「稲峰、大丈夫か?」


「夏歌さん…」



「…………………夏歌。」


優花が言った。

何よ、今考えているのに…



「何時までも演じてんじゃねーよ!」


______は?



「どーゆー意味よ?」




「いつまでも"夏歌"を演じてんのよ!
 あんたは"夏歌"じゃない!
 "夏音"でしょう!"稲峰 夏音"でしょう!
 いつまでも、"夏歌"を演じて仮面をつくるな!」


優花アンタに何が分かるのよ………






「アンタはアタシの何を知ってるの!?
 何も知らないくせにそんなこと言わないでよ!」




———あんたなんか産まなきゃ良かった———




「あぁ、知らないさ! 
 でもねぇ、幼馴染として言うよ!
 いつまでもそうしてると、誰も助けてくれなくなるよ!
 だから、クラスの皆だって受け入れてくれるはずよ!」




そう簡単に受け入れてくれるわけ………





「取り込み中悪いんだけどさ…」

真奈が入ってくる。



「夏音、いつまでも"アタシを受け入れてくれない"
 とか、思い込むな!思い込むからせっかくの
 元に戻るチャンスを自分で手放してんだぞ!いいのか!?」



………だって、アタシだって、戻りたいけど……

どうしても、母さんのあの言葉が______



「過去にいつまでも囚われるな!
 過去はもう来ない。未来に進むしかないんだ!」




_____わかってるよ………










「あのさ、事情はわかなんないけどさ、
  夏音でも俺たちは夏音を受け入れるよ?
 一歩前に進むのは恐いかもしれないけど、
  進んでみると違う世界が見えるかもしれないよ?」



リク………





「あたしだって、受け入れるよ!
 少しずつでいいんだよ!夏音になるのは!ね?」




ラエス………





「俺だって」
「私だって」



クラスの皆が言ってくれる……









「あはは、アタシが悩んでたことこんなにも
 簡単に解決するなんて…思ってもなかった————
 アタシはこれから、夏音としてもう一度生きる!」









"夏歌、アタシはもう大丈夫
 心配かけてごめんなさい
 もう自分を見失うことの無い様にするよ"


"心からキミにありがとう"