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- Re: 【7話更新♪】黒血フォルクロリカ 【オリキャラ募集中!】 ( No.154 )
- 日時: 2011/11/11 22:46
- 名前: あんず (ID: qManwW4a)
++ 8:夜道での初実戦… ++
暗い夜道に響く足音。
「ヤバイ....」
「隠れなきゃ!」
二つの影が角を回った—
黒髪の小柄な少年と赤茶けた髪をサイドテールにした少女が
並んで歩いている。
そして私達のほうをじっと見つめて言った。
「何者だ...お前達は......!?」
腰に挿していた日本刀をすらりと抜き
切っ先を私達のほうへと向ける。
黒く光った刃が月明かりを浴びて鈍く光った。
もしかして...
これは...
「和三紋黒光!?」
「確かに...」
「コレのことだったんだ..」
美しい刃の内側に潜む邪悪な気配。
学園長が言っていたことと全く同じである
「どうせお前達も黒光狙いの悪人なのだろう…?」
「ち、違う!」
「言い訳など聞かないぞ!」
黒髪の少年が刀を構え向かってくる。
「トンボ!」
「よし…
土魔法二番、『鋼鉄ノ盾』!」
「何ッ!?」
キィーーーーーン
金属と金属のぶつかり合う音が耳に突き刺さった。
こんなところで初めての実戦なんて驚きだ。
っていうかこんな子どもが黒光を使いこなすなんて…….
「厄介だな」
少年がぺろりと唇をなめる。
「アカネ、そこの小さな妖術師たちを抑えろ。」
「了解」
コンクリートを蹴り上げアカネと呼ばれた少女が飛び上がった。
「ッッ!」
ここは短剣を抜くしかない…
人間相手に….
でもこのままじゃ
殺されてしまう!
「はぁッッ!」
私が切りかかった瞬間—
「悪霊退散!」
「きゃぁっ」
がくんと力が抜ける
動かない
手足が痺れて
意識が朦朧とする
「大丈夫かエミィ!」
「無駄だ。その女は一時間ほど動くことは出来ない。
額に呪符を書いたお札を貼っておいたからな。」
「…..くそ」
瞼が重い
「男の方も封じておけ。
後ろにいる奴らもな」
いけない…
このままじゃ皆駄目になってしまう
「フォル先輩、シャト先輩、トンボ、
逃げて!!!!」
「エミィ、何が起きているのだ…おい、何をする放せっっ!」
「全員仕留めたか….」
「でもこの女まだ意識が残ってるよ。」
「フン
止めを刺しておけ。」
少年はアカネに黒光を放り投げた。
アカネが足音を立てて一歩一歩近づいてくる
終わりだ
「私はアンタみたいなタイプが大嫌いなの。
ガイトに近づく女は全員アタシが殺すわ!」
えっ
何言って…
「さようなら」
黒光が振り下ろされる
その
瞬間—
キキィーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!
眩しいほどのヘッドライト
煙くさい排気ガス
車だ
轢かれる……..!?
少年達もようやく気付いたらしく走り出そうとする
がもう間に合わない
運転手も小さな私達のことに気づいていなかったらしく
動揺を浮かべている
軋む急ブレーキ
月の光が眩しい
誰もが死を覚悟したであろう
小さな声が響いた
「黒魔法第三番『空間移動』」
最後に見たものは
大型トラックの前に立つフォルクロリカ先輩の後姿
マントがはためいて
全てが眩んだ