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- Re: 【参照四桁突入♪】黒血フォルクロリカ【オリキャラ募集中!】 ( No.228 )
- 日時: 2011/12/15 22:14
- 名前: あんず (ID: YuKtYzVA)
++ 16:アカネの過去。そして学校へ!?その1 ++
「はぁッ......はぁッ......」
息が荒い。
それもそのはず。私たちはアカネの家までガンダッシュ
してっちゃったからである。
鍵を回してみても開かない。仕方なく魔術を使う。
「黒魔法第三番『空間移動』!!!!!!」
ドアをすり抜けて部屋の中に入った。
「エミィ、黒魔法なんて使えたのか?」
「治療系の白魔法はオールマイティーだから全部の種類の魔法が
使えるの。まぁ力は極端に弱いけどね。」
「...便利なもんだなぁ」
電気をつけたらまずいということで闇の中を手探りで進む。
—っ...
小さな泣き声。アカネのものだ。
「この部屋にいるはず...」
トンボがドアノブに手をかけた
その時
ピキッ
空間が歪む。
「え?」
バリバリバリバリッッッ!!!
「うわぁぁぁぁあああああああああああ!!!!!」
「何!?大丈夫!?」
トンボの腕が黒く焼き焦げている。
「白魔法第一番『力充波』!」
「...ッッ」
「効かない...!?」
腕の周りに妖気が立ち込めているので一番程度では跳ね返されてしまう。ここでトンボを失うわけにはいかない。
「トンボ!しっかりして!!今助けるから!」
「やめろ...」
「何いってんの!?」
「......アカネの悲しみと妖刀が過剰な連鎖反応を起こして
強力な結界を作り上げている。...早くアカネを止めないと
...生命エネルギーが尽きて死んでしまう。
僕のことはいいから...早く......アカネを...」
「...」
「とにかくアカネを助けろ!!!」
「無理だよ!あんたを置いて行くなんて出来ない!」
「......目を覚ませエミィ!」
「トンボ!?」
トンボが立ち上がる。
気絶しそうなほど痛いくせに何やってんのよ....!
「俺達は魔法使いだ!
だから絶対に人間を傷つけちゃいけないんだよ!
強者は弱者を守んなきゃいけねぇ...
今がその時だろ!」
「でも...」
「俺は一人でも何とかなる!
人間を、アカネを守r———... ドサッッ
「と、トンボ!?」
あれだけ格好良いことを言って倒れちゃうトンボはあいかわらず
ドジというか残念な人というか...
でも私はトンボと一緒にいて楽しかったし
これからも楽しむつもりだ。
自分はどうなっても良い。
疲れ果てて倒れても構わない。
だから—
「2人を絶対に助ける!!!!!!!」
まず腕を浄化して妖気を取り除いて...
二つの術式を組み合わせるのは初めてだ。
でもそんなこと言ってられない。
「白魔法第五番『清浄化』!!からの『力充波』!
そして...
黒魔法第六番『人体弐化』ッッ!!!!!」
グンと身体が二つに分けられる感覚。
人体弐化・術者の身体、能力を全く同じにコピーする術。
—成功だ。
「私はトンボの手当てをするから私その2は結界を破って!」
「了解です、壱人様。それから私のことは弐人と呼んでくだされば…」
「はいはい弐人!早くアカネを!!」
ビキビキビキビキッ!
結界が割れる音がする。こちらはこちらで早く治療をしなければならない。
「『清浄化』『力充波』続けて!黒魔法第四番『空間回帰』!」
トンボの腕の火傷がだんだんと剥がれていく。
このまま続けていけばきっと助かるはずだ。
バリバリバリバリッッッ!!!
「きゃぁッッ!」
「弐人!?」
私のコピーである弐人の片足がトンボのように焼き焦げている。
「ちょ、弐人!大丈夫なの!?」
「………ドアノブのものは『清浄化』で解除できたのですが…
じれったくなって蹴りを入れてしまい…すみません…壱人様…..」
「ねぇ!今治すから!」
「….結界のパワーがどんどん膨らんでいます。
どんどん迫ってきてるんです….だから…….私を置いて早く逃げてください!」
「そんなことできるわけないじゃん!」
立ち上がろうとしたその時
左足に鋭い痛みが走る。
ふと足をみると
黒く燻っていた。
「え…なんで私まで火傷してるの!?私結界には触れていないのに!」
叫んでも誰も応えるはずが無く。
私はただ無力で
非力で
役立たずで
トンボを怪我させてコピーにまで傷を負わせて。
「…….っ…これじゃ立てない…」
足に、腕に、身体に力が入らない。
何でだろう
何でだろう
何でだろう
何でだろう!?
誰も教えてくれなくて。
涙がこぼれた。
「私は……..無力だ……………….」
トンボは目を開けない。
コピーも同じ。
一人ぼっちで
無力なままで私は死んでしまうのだろうか?
「..........そんなの嫌だ」
結界はもうすぐ後ろまで迫っている。
焦げたような臭いが熱い。
「お願い.....誰か...助けて.................」
大粒の涙がとどめなく零れ落ちた。
ハンカチを探すためポケットを探る。
カシャッ
指先に何か機会の感触がする。
「あ....携帯電話!」
出発前に文月先輩から貰っていた三段スライド式携帯。
これは希望の象徴だ—
私はそっと緊急用の赤いボタンを押した。