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Re: 【19話更新♪】黒血フォルクロリカ【オリキャラ募集中!】 ( No.287 )
日時: 2011/12/30 19:15
名前: あんず (ID: YuKtYzVA)

++ 20:金髪美少女のせいで学校に行くことになったPart2 ++


「んァー?さっきよりギャラリー増えちゃってない?」

金髪美少女は何でもないような声であたりを見回す。
ふわふわと膨らんだ型の黄色いミニドレスはまるで昔話のお姫様のよう。
同じ色の大きな傘が妙にマッチしている。

「そうそう早めに在り処を吐いて欲しいんだよねェ。
さっさとゲロっちゃわないとこの子ら本当に死んじゃうよォ〜」

そういって片手で持った文月先輩の首筋を傘の先で撫ぜた。

「早く教えなさいよォ、和三紋黒光がどこにあるかを!」
「.......私達は知らない!」
「ふぅん...見殺しにする気ね♪
良いわよ、それはそれで楽しめるし♪」
「ちょ.......何を.........!?」
「土魔法第一番『個体変換』」

傘の先を鋭く尖った金属に変える。

「アハハハハ!まずはこの人間からイくね!」
「やめなさい!」
「あァ?命令してんじゃねーよ小聖ごときが。
......それにィコイツ...神崎アカネだっけ?気絶してるじゃ〜ん
だから多分死ぬ程痛くはないと思うよォ〜」
「でも...!」
「五月蝿いなァ....それ!お手手ぶっさしフラン傘!」






ヒュッー



「!!」
「手応え無いんだけどォ!」
「少女はここだ。」
「レナ先輩!」

レナ先輩がアカネを抱きかかえ瞬間移動していてくれた。
良くみると金髪美少女の傘が突き刺さった地点を中心に硬い床にヒビが
入っている。

「あんなの一撃でも喰らったら終わりだ........」
「ふふん♪」

金髪美少女が自慢げに胸をそらす。

「闇世界の住人、二つ名は『底闇の麗聖士』フラン=クロニカル=フランカを
甘く見ない方がいいわよォ!」
「知らなかった...」
「覚えといた方が良いんじゃなァい!ほら、小聖ちゃんそこの先輩方に聞いてご
覧なさい!」
「....私は知りません。」
「私も知らないぞ」
「え........嘘................」


沈黙の天使たちがひらひらとその場を乱舞しておりますwww


「ガハハ!お前なんか知ってるわけ無いだろう!
やっぱり巨乳ってのは馬鹿ばっかなんだよ!」
「レナ先輩!そんなに挑発しちゃ駄目....」
「いいんだよ!オイ、そこの馬鹿!早くうちの聖剣士返せ!」
「.....こいつのことか?」

突然フランが手袋をはめる。
「土魔法第七番『錬金』」

手袋から水のつぶてが溢れ出した。

「神よ、これが今回の生贄。仔羊よ我に力を。錬成。」
「!?」
「サヨナラ、聖剣士のお嬢さん。」
「なにやってんのよ!?」
「んふ♪殺しには理由なんて要らないの。」


血が飛び散る。
文月先輩の体にフランは錬成した槍をつきたてたのだ。

「.............ねぇ...............さん.....」
「こいつはもうお終いだ。」

文月先輩の体を放り出すフラン。
咄嗟に如月先輩が抱きとめる。

「あやぁぁぁぁぁあああああああ.............!!」
「もうすぐ死ぬぞ。この女は」
「は?」

ゆっくりと顔をあげる。
恐ろしい形相でフランを睨みつけながら如月先輩が口を開いた。



「お前........許さない......
氷魔法第九番『氷河期』」
「!!」

飛び退く間も無い程の速度で、如月先輩が触れた部分から凍りついて行く。

「レナ先輩、エミィ援護して!」
「「了解!」」

「させるかよ!錬成!」

腕だけ出したフランの放った弓矢がレナ先輩の方へ飛んで行く。

「レナ先輩避けてっ!」
「遅いよ小聖ちゃん。」

新たな血が宙を舞う。
赤い
紅い

私のローブにこびり付く。
鉄の匂いがした。

「レナ先輩大丈夫ですか!?」
「おっと....よそ見してて良いのかな?氷の能力者さん。錬成!」
「如月先輩!」
「.........ぐあっ....」


私の前に三人の先輩方が倒れている。
華聖士に飛び級要請のきた先輩二人。

そんな人たちでも勝てなかった相手だ。
近づいてくる。

「小聖ちゃん、あたしはまだこの三人にとどめなんてさしちゃいないよォ」

ひたひたと足音。
目をつむる。
それだけでも恐ろしい。
目も開けていられないほど
怖い。

「君は和三紋黒光の持ち主を知ってるんだよねェ?」

眉間に傘の先を突きつけられる。
悪寒が身体中を巡った。

これが恐怖ー


「教えて欲しいなァ.....」


お願いなんかじゃない。
答えなければ殺される。

私も先輩もアカネも
眠っているトンボだって全員。


「答えなければどうなるかは分かってるよねェ....」




仕方ない。
これは仕方ないんだ。

自分が恥ずかしかった。

でもこうせずにはいられなかった。



「はいー
黒明ガイトという少年が持っていますー」






「ハイありがとォ」

にっこりと笑うフラン。
それを睨み返す勇気なんて私には無かった。



「小聖ちゃん、あんたはとっても賢いヤツだね〜

でも今まであたしが見た中で一番ビビリで卑怯な奴だよ.....」







あとに残されたのはほんのりとした薄闇だけ。

フランが階段を降りて行く音が妙に大きく響いたのはきっと
冷たい空気のせいだ...なぁんてね


一人残された私の鼓動は狭い部屋の中でぽつんと跳ねた