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Re: 【3話更新♪】 黒血フォルクロリカ 【オリキャラ募集中!】 ( No.32 )
日時: 2012/04/23 23:18
名前: あんず (ID: 92VmeC1z)

++ 5:変人でも先輩にはなれるんですよ。例だってあります。++

「ぷへ〜疲れたぁああ!」
「いつもより遠く感じたな...…。」
「まぁ俺とユウちゃんの恋路を邪魔する不出来なガキ共も
 いたわけだし仕方ないよね!」
「「「いや、完璧にお前のせいだろ。」」」
チェス先輩といると敬語の存在を忘れてしまうんですけど。

チラリと腕にはめた時計を見やった。
ただいまの時刻は八時五十五分。
もうすぐ開門である。

「ここがライプチヒ聖誓園か〜」
「立派だな〜」

門の周りは入場を待つ新入生で埋め尽くされていた。
「あの子誰だろう?」

その中でも一際目立つ少女が一人。
彼女は金髪のツインテールを黒いリボンで縛り、都で流行のブランドの綺麗な腕輪を身につけている。

「洒落た娘だな。知り合いか?」
「いえ...初めて見た子です。」
「中々可愛い娘じゃないか〜
 ま、俺はユウちゃん以外の女に興味なんて無いけどさ♪」
「何を大きな声でほざいてるんだ‼」
「あ、先輩近づいてきました!」

フッと振り向いた女の子が私の方を見る。
視線に気がついたのだろうか。にっこりと私達の方に駆け寄ってきた。

「初めまして、私はマリュナ・カルティエ。
 マリーって呼んで頂戴ね。」

大きな瞳、吸い込まれそうになる。
いきなりどアップになった美しい顔にドギマギしてしまい、一瞬パニックになってしまった。
「あ、あああぅ..….す、すごく可愛いですね!!」
「へ?」

マリーは一瞬ビックリしたような顔つきを見せた後、笑い出した。

「あははっ!エミリアちゃんって面白いねぇ〜。」
「う、あの、す、スミマセンでした!!」
「そんな緊張しなくてもいいからね。それに.…..。」

ぐっ
とマリーは私に頬を寄せて言う。

「私の外見は確かに可愛いわ。
 でも素直じゃないから。すごく私は可愛くないのよ。」

「それってどういう...…?」
「ま、いいわ。どこかの機会にまた会いましょ。じゃあね。」

ひらひらと手を振りながらマリーはどこかに行ってしまった。

「今の子なんだったの?」
「...…わかんない。」

不思議な子だ。
自信に満ちた瞳のおくで揺らめいている寂しげな色。あまりのギャップに言葉が詰まってしまう。

でも、嫌われてはいないはずだしむしろーー。
友達になれた気がした。