コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 【20話更新♪】黒血フォルクロリカ【キャラ絵うp15!】 ( No.581 )
- 日時: 2012/04/08 16:26
- 名前: 茜崎あんず (ID: 92VmeC1z)
- 参照: http://www.kakiko.info/oekaki_bbs/bbsnote.cgi?fc
++ CS第4話:戦闘ピエロ ++
どんどん遠ざかっていく後姿。私たちはもうくたくただ。
「アイツ・・・・・なんであんなに速いんだよ!」
フォル先輩も疲れが態度に表れている。
カーキ色の軍服が炎天下の空にゆらゆらと揺れた。
その時。
私たちの頭上を何かが高速で通過する。
「何アレ!?」
その物体はギリギリで私たちをすり抜け前を走る謎の人物の足元へと転がっていく。
「やべぇ標的間違えた!」
見知らぬ声が降ってきた、その約5秒後。
ドカンという大爆音の後女性のものであろう短い叫声が響く
辺りを焦げ臭い匂いが覆った。
「手榴弾か・・・!」
「なんですかそれ?」
「まさか知らなかったんですか?」
次に転がってきたのは銃弾のような小さい玉。
「エミィ触るな!」
「え?」
こつり。靴にそれが軽く触れる。
「閃光弾だ!!!」
その声と同時に玉から大量の強光が吹き出した。
視界が遮られ前が見えない。
「M67手榴弾、今僕が使ったものです。球状や筒状の形状をしており、内部に火薬を充填して作動すると周囲に生成破片を飛散させる戦闘には欠かせない爆撃物。ライプチヒも落ちたもんですね。」
「・・・・・・・誰?」
「ああ・・・・・挨拶が遅れてしまいましたね。初めまして、僕はレイン=マストクラフ。シャドウサーカス団のピエロです。」
細い体躯にだぶだぶの青い服を着込んだその少年は丁寧な物腰で私にお辞儀をする。背丈は私より少し高いくらい、いや同じか?
「僕らの公演をよくも邪魔してくれましたね。」
「え?どういう・・・・」
「その通りの意味ですよ!」
青い涙のメイクを施した美しい顔を歪ませ彼は私に目を向ける。白い肌に浮き立つ赤銅色の渦目。
「僕たちは舞台に命を懸けている。命綱なんて無粋なものは使いません。それを貴方達は・・・・・・!」
そういえばテントを壊したり照明を落としたりしてしまったっけ・・・・・。
「それは謝るけど・・・・・・本当に!アレはあんた達を守るために!!!」
「言い訳は聞きません。」
穏やかな口調とは裏腹に彼の手に収まっているそれはとても物騒だ。
「・・・・クナイ!?」
「はい。この位の知識はあるんですね、安心しました。では。」
彼の薄い唇が小さく動いた。
「アッディーオ。」
頚動脈にかざされる鋭利な刃物——。