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Re: 【21話更新♪】黒血フォルクロリカ【参照3500突破!】 ( No.586 )
日時: 2012/04/12 22:28
名前: 茜崎あんず (ID: 92VmeC1z)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.cgi?mode

++ CS第5話:サーカス&白虎&黒血チーム ++


キンと金属同士がこすれる音がする。
漆黒の鎌。
「フォル先輩・・・・・・!」

自身の真紅のスカートを千切ったものを目の上に巻いて、閃光弾の光が入らないようにしているのだ。

「どうしたのかいレイン!」
「来るな!!!!」
青い服の少年が叫ぶと同時にフォル先輩の右開脚が竜巻く。
その鋭い蹴りは煙の中から現れた赤い服の少年にクリーンヒットした。

「うう・・・・・・・!」
「兄さん!!!」
どうやらピエロのような格好をした赤と青の少年達は兄弟であるようだ。
「しっかりして!!!!」
「無駄だよ。」

駆け寄る青の少年にフォル先輩は怜悧な視線を向けた。
「彼は後一時間はこのままだろう。私の蹴りをモロに喰らったんだ。生きているだけでも賞賛に値する。」
「糞野郎が・・・・・・・!」

ギリギリと音が出そうなほどに血走った眼球がフォル先輩を捉える。
「お前は絶対に許さない・・・・・・。」
「許さないからどうしたというんだ。第一お前らが私の後輩に手を出すのが悪いんだろうが。話し合いでなら楽にに解決できただろうに。
 あ、私に反抗できるほどに腕が立っているのだと思い込んでいたのだな?実力を買いかぶりすぎだ馬鹿。」

まだ幼い少年達に彼女は辛辣な言葉をためらい無く投げた。
憤怒に狂う彼らの顔は未だも小馬鹿にしたようなフォル先輩の顔をはっきりと仕留めて。

「うわぁぁあぁあぁぁぁぁああぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああ!!!!」
「何ッ!?」

突然彼らの霊圧が急上する。
赤銅色の瞳に新たな紋様が加わった。

「銀色の五紡星・・・・・・だと!?」

がくがくと手足を振るわせたち上がる様はまるで生まれたての子鹿のようだ。
動かない身体を懸命に振り武器を持つ。

「超殺戮状態。これが僕らの最終形態だ。どんなに大怪我をしていても鬼窟のように強制動作させることができる。」

爛々と見開かれた大きな目。
半歩後ろに下がった瞬間彼女めがけて飛び上がる二人。


「仕方ない。これを使うか。」


フォル先輩の右手に握られている鎌。
漆黒で闇色で深い黒で塗られた巨大な鎌だ。

左手は・・・・・。
黒い鎌から出ている焔の色は、灼熱の赤。

「二本あるだと!?」
「そうだ、聖蜉蝣鎌(セイントアザール)。二つで一つ、これが私の武器の名前。」


軽やかに駆け出すその姿はまるで疾風、そう蜉蝣そのもの。


「血なまぐさいところを見せた。悪かったな。」

フォル先輩に白い頬に浮かぶ返り血をそっとぬぐう。
点々と二人の少年の血痕が残っていた——。