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Re: 【21話更新♪】黒血フォルクロリカ【参照3600突破!】 ( No.599 )
日時: 2012/04/21 21:47
名前: 茜崎あんず (ID: 92VmeC1z)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.cgi?mode


++ CS第9話:結託そしてナルシスト ++


「ハァ・・・・・・ハァ・・・・・・・・・!」
ようやく落ち着いてきたフォル先輩。
学園長評判悪すぎです。

っていうか・・・・・、少し疑問に思ったことを聴いてみる。

「なんでサーカスの人たちはフォル先輩の外見情報なんか持ってるの?」
「・・・・・・・それは。」

今のところ、
テントを壊されて怒ったサーカスが私たちを狙う。
私たちは怪しい軍服少女を追う。
そして軍服少女は・・・・・サーカスの持つ何かを狙っていた。

「団長、言ったら・・・・・極秘任務なのに!」
「良いよ。本人だし、いつか絶対に喋ることになるだろう。」


まだ不満顔の花姫から目を逸らし、彼はランファンさんに手を伸ばす。

「その匣を渡してください。」
「仕方ない、全て喋っちゃいな。」

麻でできた分厚い袋の中から取り出されたのはあの匣。
茶色い木箱をベースに金銀鮮やかな装飾が大量に施されている。
その中に入っていたのは、一通の手紙だった。

「中はまだ見るな。ワルトシュタイン=D=ハイリンヒ様からドルチェ=フォルクロリカ宛だ。ここまで厳重に管理されてるところを見るとかなり大切な内容なのだろう。」
「・・・・・・!」
「ちなみにコレと同じ内容らしき手紙が白黒麗聖士の幹部全員に届けられた。それ関連と言う見当はつくぞ。」

フォル先輩の白い指が封筒の側面を撫ぜる。
「裏側には何か書いてないんですか?」
「ん?住所とかじゃないのか?」


封筒で切手の貼っていない裏側。

「ええええええええええええ?」


むっちゃ太いペンででかでかと書かれている文字。
場は驚愕で満ち溢れた。


“コレはダミーです♪残〜〜念〜〜〜〜〜♪♪”







○●








「なんだ!どういうことなのか???」

封筒をビリビリと引き裂き中を見る。
便箋の上に踊る乱雑な赤文字は、いつも目にする学園長の嫌がらせとしか思えないくらい丸みを帯びたギャル文字とは全く違うものだった。


「くそ!リネのヤツ図ったな!!」
「リネって?」
「説明は後だ。とりあえず音読するぞ」


“ 親愛なる良い子ぶりっ子サーカス団の皆さまへ
 
 君たちは金や報酬に興味がないといった気取った態度を取っています
 が俺様は違います。俺様率いるリネグループは人使いの荒すぎるワル
 トシュタイン=D=ハイリンヒ様の下を離れ、新たな就職口を探すこ
 とにしました。というわけで新しい素晴らしき仕事第一回として、精
 霊王直属の戦闘部隊、白黒麗聖士宛の謎の手紙を搾取せよとの命を受
 けました。つ、ま、り、コレはダミーなのです!

  リネ=シストナールより ”


「やられた!!!」
ピエロ二人ががくりと肩を落とす。
「任務失敗は許されないぞ!何とかして奪還するんだ!!!」

今にも動き出しそうなシャドウサーカス団。
それを呆れた様に見つめながらフォル先輩は言った。

「今焦っても仕方は無いぞ。とりあえずリネとやらについ手説明しろ。」
「・・・・・・・」

フォル先輩の冷静な言葉に一同は黙り込む。

「分かった。全てを話そう——。」


団長・シャドー=ミハイルは口を開き、とうとうと語りだした。