コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 黒影寮は今日もお祭り騒ぎです。企画・もしも彼らが○○だったら ( No.102 )
- 日時: 2011/12/28 21:48
- 名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: GlvB0uzl)
- 参照: 誰得赤ずきんww
第7章 英学園の愉快な文化祭
教室の中にいたのは黒影寮の皆さんが女装している姿でした。まぁ可愛い。
女装と言ってもメイドさんだらけですし。
それに男性にとても人気なようでした。えぇ、女の私から見ても可愛らしいですからね!
「ぎ、銀ちゃん?! どうして、え、嘘?!」
「……あの、蒼空さん。1つ訊いてもいいですかね?」
顔を真っ赤にして私を指している蒼空さんに、問いかけました。思い切って。
「どうしてあなたの服装は『メイド服』ではなく『ゴスロリ』なんですか?」
そうです。蒼空さんの服はメイドではありませんでした。
フリルがふんだんにあしらわれた黒いスカートは、ふんわりと広がっています。袖もひらひらとしたレースがつけられていて、昴さんのメイド服と比べると、蒼空さんのはゴスロリに属すると思います。
そこへ、メイド服に着替えた悠紀さんが説明しました。
「蒼空は容姿はフランス人形並みに可愛いからね。ほら、目も青いじゃん。これで髪も金髪になれば完璧に人形で白ロリの方がよかったんだけど、黒髪だからゴスロリにしてみた。ゴスメイドという奴だよ」
「は、ハァ。専門的な説明、ありがとうございます」
そういうあなたのメイド服も、結構可愛らしいものですけどね?
「あれぇ? これだけなんスか? ほら、やけに容姿が可愛らしい寮長がいたじゃないスか。あの人はどこ行ったんスか?」
「あ、あー。翔の事?」
昴さんはウィッグの上から頭を掻きました。そして教室の隅を指差します。
そこにいたのは、和服のようなメイド服を着た翔さんがいました。薄い桃色の着物の上からエプロンドレスをかけています。黒く艶やかな髪は高くポニーテールにまとめられていました。
翔さんは楽しげに何かを作っています。
それは、とても大きなパフェでした。
「お待たせいたしました」
その巨大なパフェを作り終えた翔さんは、とある1つのテーブルへとそれを運びます。
座っていた客は、オタクとも言えるほどに太った男の人でした。食べるのですか?
翔さんはニッコリとした笑顔で、告げます。
「このパフェを30分以内に食べ終わったら、デートしてやるよ」
「お、俺様メイド萌え〜〜〜〜〜!!」
俺様メイド……。まぁ、今の翔さんの代名詞でしょうね。似合ってます、俺様メイド。
思わず笑いそうになったのを、何とかこらえました。腹筋が痛いです。
「そんじゃ、よーいスタート」
「いただきますーっ!!」
男性は勢いよくパフェを掻きこみます。その直後、顔を引きつらせました。
みるみるうちに赤くなって行き——
「か、か、か、辛いぃぃぃいいいいいい?!」
絶叫して逃げました。
翔さんはその背中を見て、くすくすとS気な笑みを洩らします。
「激辛パフェなんて誰も完食できる訳ねぇだろww」
「……それ、完食すれば何かもらえるのかな?」
唐突にひかげ先輩が翔さんに訊きました。
翔さんはひかげ先輩を怪しげな表情で見上げ、そして頷きます。
「あぁ。完食できたらな。一応賞品は『メイドさんの命令権』って奴だな」
「じゃあやる」
ひかげ先輩はガタリと椅子に座りました。
全員驚きました。ひかげ先輩が食べると言ったのですから。
「お、おい。本気なの?」
昴さんがひかげ先輩に問います。
だけど、ひかげ先輩は答えを変えませんでした。「食べる」の一点張りです。
翔さんはひかげ先輩の決意を受け取ったのか、厨房らしきところへ引っ込んで行きました。
「あ、銀ちゃん」
「何でしょうか?」
「激辛パフェは、銀ちゃんがメイド服の格好で運んで来てくれると食欲出る☆」
それを聞いた瞬間、羅さんが悲鳴を上げました。