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Re: 黒影寮は今日もお祭り騒ぎです。企画・もしも彼らが○○だったら ( No.106 )
日時: 2011/12/31 15:22
名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: GlvB0uzl)
参照: 今年も終わりですからパーッと盛り上がろうぜ! バイ盛り下がり隊長。

第7章 英学園の愉快な文化祭


 3年生フロアはカフェやお食事処が多い場所でした。結構人で賑わっています。
 ひかげ先輩はきらきらした瞳で辺りを見回しています。

「お、美味しそう!!」

「自分で払ってくださいね、先輩?」

「分かってるぜ銀ちゃん! その為に私は、私はお金をためてきたのさぁ!!」

 キュッピーン! と財布を掲げるひかげ先輩。そしてそのままダッシュでどこかに消えてしまいました。
 えー?! どこ行ったんですか、ひかげ先輩!!

「あー、ひかげ先輩を探してくるッス。羅さん。神威さんの騎士になってくださいね。くれぐれも『神威さんに襲いかかったりしないように』ッス」

 白亜さんは羅さんに手をかざして命令しました。出ました神様の命令ーっ!!
 羅さんはコクリと黙って頷きます。よかったです。これで貞操の心配はしなくてもいいのです!

「じゃ、神威さん。羅さんも。そこら辺見ててくださいッス。私はひかげ先輩探してくるんで」

「ハイ。行ってらっしゃいです」

 行ってきますー、と白亜さんはひかげ先輩が走って行った方向へ消えました。
 うーん。それにしても洗脳されている羅さんに話しかけたらどうなるのでしょうか、ただ黙っているだけなのでしょうかね?

「羅さん?」

「ぎーんちゃーん! あたしは悲しいよ、白亜の野郎!! 洗脳しやがって!! 体が言う事を聞かない! チャンスなのに襲いかかれないーっ!!」

「襲いかからなくて結構ですよ?」

 すると、私の名前を呼ぶ声がしました。
 誰かと思い振り返ってみますと、エメラルドの男性が走ってきます。特別クラス担任の零さんです。
 息を切らせて零さんがやってきました。

「王良の野郎を見てない?」

「いいえ。私も翔さんに頼まれて早く戻って来いっていう伝言が——」

「あいつマジでどこ行きやがった?! 放送かけても教室に来ないし、月読が辺りに幽霊を飛ばしても情報入って来ないし! もういっそ東を使えばいいのかいいのか?!」

「あ、あの! 落ち着いてください落ち着いてー!!」

 零さんがワシャワシャと自分の頭を掻きまわします。
 それ以前に、ここは普通のクラスですよ? 特別クラスではありませんよ?

「い、今ひかげ先輩がいなくて……。上手く動けませんが……」

「え? 別にいいよ。管理人の女の子に協力させる訳にはいかないし。楽しんでるところ邪魔して悪かったな」

「二度と来るな! あたしと銀ちゃんの夢の時間を邪魔するな!!」

「洗脳されて動けないくせによくそんな事を言えるね?」

 まぁいいや、と言い残して零さんは戻って行きました。
 空華さん。本当にどこへ行ったんでしょうか?

「ねぇ銀ちゃん。ちょっと耳を澄ましてごらんよ」

「へ?」

 羅さんに言われ、私は耳を澄ましてみました。隣にいる3年生の会話です。
 内容はこうでした。

「彼女が来るはずなのに、来ないんだ。一体どこをほっつき歩いてるんだか」

「きっとどこかにナンパされてついてったんじゃねぇの? お前の彼女、尻軽じゃん」

「えーっ!! あー、王良なら有り得そうだな。だってこの学園で彼女がいる奴、ほぼ全員王良に取られてるんだぜ彼女」

 思考が止まりました。
 空華さんはいません。そしてこの3年生の彼女さんも来ていません。
 もしかしたら、空華さんは——。

「羅さん! 行きましょう!」

「ちょ、銀ちゃん?! うわ、銀ちゃんの手、温かい!!」

「だからって両手でつかまないでください! これはもしかして襲われるに入りませんか?!」

 私達は駆けだしました。
 空華さんがいそうなところ——とりあえず、屋上を目指して。