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Re: 黒影寮は今日もお祭り騒ぎです。企画・もしも彼らが○○だったら ( No.114 )
日時: 2012/01/03 21:51
名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: GlvB0uzl)
参照: 今年も終わりですからパーッと盛り上がろうぜ! バイ盛り下がり隊長。

夕遊様>>


リクの受付ー☆あぁ、あれか。魂そのものではなく、みんなの性格が入れ替わったらだねww
それはそれで面白そうだけどww
銀ちゃんがイケメン嫌いだったらどうなるんだー?!

と言う訳で、書いてみようと思います。
銀ちゃん、タイトルコールよろしく!!

銀「了解しました! それでは、もしもみんなの性格が入れ替わったら!!」


 〜山下愁視点(つまり作者視点)〜

 それは、ある日の黒影寮でのお話。
 主人公・神威銀はいつも通りに目覚めた。いつも通りに制服に着替え、朝ごはんを用意していた。
 そして、いつも通りに黒影寮のみんなが起きてくるのだが——。

 ここで異変が起きた。

「…………」

 銀が菜箸を持ったまま、黒影寮のみんなを見てピタリと動きを止めた。
 どうしたのだろう、とみんなが顔を見合わせた瞬間に、銀が悲鳴を上げる。

「ぃぃいいいいやぁぁぁぁぁああああああああああ!!」

 菜箸を放り捨て、熱々のフライパンを投げるという大暴走。
 瞬時にして睦月が遠隔念動力でフライパンとその中身を受け止め、元に戻して机の上に置いた。よくそんな繊細な動きが出来る事で。
 銀は半狂乱になりながら、叫び続ける。

「銀! 銀!! 大丈夫か!」

「きゃぁぁあ! 近づかないでください、イケメンンンンンン!!」

 そんな銀に近づいたのが、なんとシャーマンであまり喋らない事で有名な怜悟だった。
 怜悟は必死な様子で何とか銀をなだめようとしているが、それは逆効果に終わる。何故なら、彼もイケメンだからである。
 そんな状況を傍観していた黒影寮の寮長・翔が口を開く。

「おい、怜悟。そんな事をしても逆効果だろうが。つーかテメェ、喋れたんだな。俺はてっきりテメェの事をロボットかサイボーグだと……あれ?」

 ここで、翔も自らの言動に気がついた。

「ロボットとサイボーグって一緒じゃね?」

「まぁ、大同小異って感じがするけど大体は同じだよ」

 翔の質問に答えを返したのは、なんと頭の悪い事で有名な重力使い・蒼空である。
 そうか、と翔が頷いた時に、気付いた。

「テメェ、何で大同小異って言葉を知ってるんだ?」

「え? 知らないの?」

「いや、それ何だ? 食えるのか?」

「「「「「翔が頭悪くなったぁぁぁぁぁああああああ?!!」」」」」

 一大事である。英学園1の秀才である翔が一夜にして馬鹿になったら、それはもう一大事である。
 小説家を志望する言葉使い・悠紀がすさまじい慌てっぷりで言う。

「ど、どないしよ! 翔が頭悪うなったら大変やん——って、僕の口調、おかしくなってへん? 睦月っぽくなってへん?! おい、睦月! 喋ってみい!!」

 悠紀が大阪弁でがくがくと近くにいた長身金髪青年で超能力者・睦月を揺らす。
 睦月は彼の手を払うと、訳が分からないように首を傾げた。

「ワシ。分からない」

「ちょ、睦月? その喋り方はおかしなってへん?」

「おかしくない」

 明らかに言葉遣いが淡々となってるって言うか睦月みたいになってるって言うか——。
 そこで今度は別の叫び声が上がった。叫び声と言うよりかは、怒鳴り声に程近い。
 見れば、食堂の真ん中で昴と空華が喧嘩をしていた。

「だから、これは一体どういう事かって訊いてるんだよ!! 何とか答えろよ!!」

「知らないって言ってるじゃん。あー、もう。説明するのも面倒くさ。誰かこいつをビビらせちゃいなよー。俺様、もう喋りたくないよー。あー、もういっか。ほら昴、落ち着け」

「ひぎゃぁぁあ!! 苦無、苦無が飛んで——!!」

 昴が涙目で飛び上がる。それを見た空華は楽しそうにケタケタと笑っていた。
 これは、まさか。つまり、あれだ。
 全員の性格が入れ替わったという事になる——?

「「「「「えぇぇぇぇぇえええ?!!」」」」」

***** ***** *****

「状況を確認するぞ」

 いくら馬鹿になったとはいえ、寮長は寮長。翔は全員を椅子に座らせて状況の解析をする。

「おい、銀。テメェの性格は——」

「いやぁぁ!! それ以上私に近づかないでください! 吐きますよ?!」

「……高梨羅の性格だな」

 で、次は——と翔が目を向けた先は幼馴染の昴である。
 ためしに怒らせてみた。

「馬鹿」

「ンだとコラァァ!!」

 普段なら『馬鹿じゃないもん少しだけだもん!』みたいな言葉を返してくるのに。だが、今の昴は翔に向けて反閇を放った。
 翔は造作もなく死神の力を使って技を吹っ飛ばす。

「で、空華が——悠紀だな」

「説明が面倒くさい」

「蒼空が俺か」

「そうなるね」

「睦月が怜悟」

「ん」

「怜悟が昴か?」

「そうか?」

「悠紀が睦月」

「そうやそうや!!」

「蓮は?」

「ん? なんか言った?」

「つかさっぽいな。最後、つかさが——」

「銀ちゃん。僕と一緒にデートしない? 美味しいカフェがあるんだ」

「空華、と」

「翔が蒼空だろ?」

「あぁ、そうだ」

 ギィ、と椅子を揺らす。
 この状況、どう打開したらいいか。とにかく早くしないと学校に遅刻してしまう——。

「あのさ、ちょっと思ったんだけどー」

「どうした悠紀空華」

「何、その紛らわしい呼び名。止めてくれない?」

 携帯をカチカチといじりながら、空華(性格:悠紀)が言う。

「銀の性格はどこ行ったの?」

 全員の目線が銀へ集中する。
 銀(性格:羅)は、びくりと肩を震わせると悲鳴を上げて机に突っ伏してしまった。どれぐらいイケメンが嫌いなんだ。
 その時だ。
 黒影寮のインターフォンが鳴る。

「誰か出て来いよ」

 蒼空があろう事か命令してきた。

「お前が行けよ」

 昴が蒼空に向かって言葉を吐き捨てる。そこで剣呑な空気が流れ始めたので、銀を行かせる事に。
 銀はゲーゲー言いながら玄関へ向かって行った。

「はぁい、どなた——羅さん?」

「よっす」

 羅は片腕を上げて挨拶をする。そしてズカズカと中へ入って行った。
 え、え?! と銀が戸惑っていると、羅の怒鳴り声が聞こえた。

「ほら! ポカ—ンとしてんなよ!! 顔を洗ってこい顔を! あたしが飯を作っておいてやるから!! それまでに身なりをきちんとしておけ!!」

「何で羅が命令するの? 反論するのも面倒だけどさー」

「飯を抜かれたいなら面倒くさがれ。ほら、とっとと行動しろ!!」

 羅に怒鳴られ、身の危険を感じた全員は洗面所へとそそくさと移動して行った。
 その際に全員はこそこそと言いあう。

「「「「「高梨羅は、銀になったな」」」」」——と。


 オチなし! いえい!