コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: 黒影寮は今日もお祭り騒ぎです。企画・もしも彼らが○○だったら ( No.118 )
日時: 2012/01/04 21:55
名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: GlvB0uzl)
参照: 2012年もよろしくお願いします。バイ山下

第7章 英学園の愉快な文化祭


 〜蒼空視点〜

 買い出しを頼まれた俺は、校内をうろついていた。
 荷物は重力を減らし、かなり軽くなっている。まるで羽根のようだ。
 その際に銀ちゃんを見かけた。何だかぼんやりしているようだったけど——大丈夫かな。大丈夫だよな。羅とかいたし。白亜とか、あとひかげ? っていう奴もいたし。
 へーきへーき。

「買い出し完了した☆ぜ!!」

「真ん中の星は意味あるのか」

 翔から冷たいツッコミを頂戴し、俺はビニール袋の重力操作を解く。途端に一気に重さが腕にかかった。
 あれ。よく見たら、空華が戻ってきている。スカートが異常に短いメイド服を華麗に着こなし、客を相手している。すげぇ。忍びだから表情もコントロールできるのかな。
 まぁいいか。

「俺、次休憩だよな」

「あぁ。別にどっか行ってきてもいいぞ」

「さーくるけーさんくすー」

 ひらりと手を振り返し、ゴスロリを脱ぐ。これひらひらが太ももに当たって痛い。チクチクする。
 Tシャツを適当に着て、教室を出る。
 ——さぁて。

「お姫様はどこに行ったのかな?」

 お馬鹿な勇者が今行きますよー。

***** ***** *****

 〜銀視点〜

 あれー? 私は何で捕まっているのでしょうかー。
 ていうかどうして羅さんも白亜さんもひかげ先輩も捕まっているのでしょうか? 謎です、まったくもっての謎です!!
 特に羅さんに至っては気絶させられていますし!!

「ちょ、白亜さん! 一体全体、どうなっているんですか?!」

「いやー。あたしとひかげ先輩で軽音部のライブを見てたら、こいつらが襲ってきたッスよ。そー」

「のんきですね。捕まっていると言うのに」

 じと目で白亜さんを睨みつけ、私は前方にいる人達を睨みつけます。
 機関銃を持ったニット帽の男の人達でした。見るからに強盗しますっていう感じを醸し出しています。
 さっきからこの男の人達は、「あいつらを出せ!」としか言いません。誰でしょう、あいつらって?

「ら、羅さん! 起きてくださいー!!」

「無駄無駄ー。あれだね、その子、トリクロロなんちゃらを嗅がされて、こん睡しちゃってるぜ!」

「こんな時に決め顔を止めてくださいよ?!」

 えっへー、とテヘペロをするひかげ先輩。何してるんですかーっ!! ていうか、匂いで分かるんですか?!
 う、うぅ。せめて携帯が使えれば。黒影寮の皆さんに電話できるのに。
 ——翔を好きにならないでよ。俺様を好きになってよ。

「————ッ!!」

 頭の中にあの言葉がよぎります。どうして、今この時に。
 その際に、ガタリと音を立ててしまい、ニット帽の男達が私に目を向けました。

「おい、女。逃げるつもりか?」

「いえ。逃げるつもりなど——ッ!!」

 はわーっ! 銃口を突き付けられましたーっ!!
 どうしましょう。これ、本物っぽいです! 能力者さんですかーっ?!

「ちょーどいいか。お前を交渉に出すか。来い!!」

「痛っ! 痛いです。腕を縛られてるんであまり引っ張らないで——いたいたいたいたいたい!! 痛いですーっ!!」

 こんな時に羅さんはこん睡状態。
 白亜さんの洗脳はどうやら届いていない様子。
 ひかげ先輩はきょとんとしています。
 絶体絶命。大ピンチ☆☆! 馬鹿ぁーっ!!

「そこまでだ!」

「ん? 誰だ、お前」

 真っ暗な体育館のドアを開け放つ、その誰か。逆光で顔が見えませんが、目の辺りが青いです。
 あの、姿は——。

「その子を話せ! 違った。放せ!!」

「蒼空さん! 大切なところを間違えちゃダメじゃないですか?!」

 えへ☆ と蒼空さんはウインクをして舌を出しました。