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Re: 黒影寮は今日もお祭り騒ぎです。企画・もしも彼らが○○だったら ( No.148 )
日時: 2012/01/17 22:33
名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: GlvB0uzl)

番外編!! 〜俺は今日、恋を始めます〜

*注意*
羅の性別が男。
銀の性格が変。天然の度を超している。
ストーリー破綻。ごめんね。


 高梨羅。16歳。高校1年生。性別、男。
 俺は今日、彼女に恋をしました。なので男、高梨羅。
 告白してきます!!

「好きです。付き合ってください!!」

「いいですよ。とりゃ!!」

 ドッゴォォォン。
 思わず飛んできた物質を分解!!
 そう。俺は少し変な力を持っている。ありとあらゆる物質を分解できる『物質分解』という力だ。
 そして俺が好きになった人は……

「え、突き合ってじゃないんですか? じゃあ何に付き合いましょう。トイレですか?」

 天然少女、神威銀ちゃんです。


 神威銀。
 1週間前にこの皇中学高等学校に転入してきた天然少女だ。天然の度を超しているが、それでも天然なのだ。さっきの告白シーンでもそう。
 いつも緋色の扇を腰にさし、たまに鏡の前を通れば自分に挨拶をしている。それで満足している。緋色の扇を振るうと何か変な人達が出てきた。
 天然じゃなくて、変。この単語が似合うと思う。
 それでも、俺は神威銀ちゃんを好きになってしまった。

「あの、羅さん?」

「は、ハイ?!」

 思わず声が裏返る。
 なんと、銀ちゃんが俺に話しかけてきてくれたのだ。嬉しすぎる。

「先ほどの『付き合って』とはどこに付き合えばいいのでしょう?」

「え、えーと……。恋をするっていう意味だけど、分かる?」

「いいえ。今まで巫女の仕事しかしてきませんでしたので。恋など分からないのです」

「……」

 気まずいぃぃい! どうやって恋の事を教えればいいんだぁぁぁ!!

「とりあえず、恋とはこのような事をするのでしょうか?」

「ふぁ?!」

 突然、銀ちゃんは俺の手を握ってきた。温かい体温が、手を伝わってくる。
 し、心臓の音、聞こえてないか?!

「……羅さん? 顔色が赤いようですが、大丈夫ですか?」

「え。だ、大丈夫!! 俺、体力には自信あるから!!」

「? そうですか。ですが——」

 コツン、と。頭の方から聞こえた。銀ちゃんの顔がやけに近い。
 うわぁ、まつげ長いー。銀髪もサラサラして綺麗だし、肌も綺麗だなー。違うだろ!! 銀ちゃんの顔がドアップドアップ!!
 なんと、銀ちゃんは俺の額に自らの額を当てていたのだ。

「う、うわぁ?!」

「逃げないでくださいよ。でも、熱はないみたいですね。よかったです」

 ニッコリと笑顔を見せる銀ちゃん。いつもは無表情で下ばかりをうつむいている銀ちゃんだが、俺にだけは笑顔を見せてくれる。
 この笑顔を、俺だけが独占しているみたいで嬉しかった。

「私のお友達にも、恋のキューピットを自称する人がいるんですよ?」

「へぇ。あの、いつもどこかに話しかけている?」

「そうです。どこかって言うか、いつもいますけどね。鏡の向こうから来てくれるんです、さびしい時とか。辛い時とか。嬉しい時とか!!」

 楽しそうにその友達とやらを説明する銀ちゃん。
 銀ちゃん、あんたはそれでいいのか。人と対話する事なく、3年間を終えちゃいそうで俺は怖いよ。

「ねぇ、銀ちゃんは何で俺とお話してるの? そのお友達とお話ししてればいいんじゃないの?」

「……羅さんとお話しするの、何だかとても楽しいんです」

 銀ちゃんは少しだけ、顔を赤くして言う。

「羅さんの笑顔を見ると、私も笑ってしまうんです。羅さんの近くにいると、ほっとするんです。羅さんに『好きだ』って言われた時、何だか変な感じがしたんです」

「へ、変な感じ?」

「……心臓がドキドキうるさいんです。いつもの私じゃないみたいな、そんな感じがするんです」

 心臓の辺りを押さえ、銀ちゃんは潤んだ瞳を向けた。

「これが、恋って言うものですか?」


 そう。それが恋ってもの。
 俺達は、今日恋を始めました。甘くてどこか不思議な恋を——。


 オチなんてないよ☆