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Re: 黒影寮は今日もお祭り騒ぎです。企画・もしも彼らが○○だったら ( No.159 )
日時: 2012/01/26 22:10
名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: GlvB0uzl)

第9章 本当にあった黒影寮の怖い話


「思い出したんスけど、私もそう言えば怖い話を体験したんスよね」

「え、白亜さんも?」

「そうッス。これは私が14歳の時、中2の時に」


 皇学校2年F組4番目〜白亜視点〜


 その日はバスケ部が遅くまであった。私はスタメンに選ばれていて、遅くまで居残って練習していた。
 先輩に声をかけられて、私は制服に着替えていた。

「あ、忘れた」

 そう言えば、今日は宿題が出てたっけ? そんな事を思い出した。
 忘れたら廊下に立たされる。そんなのはごめんなので、私は教室まで取りに行った。
 辺りは暗い。廊下は非常灯しか電気が点いていない。

「うー、暗い」

 何とかして教室にたどり着いた時に気づいた。
 隣のクラスの電気が点いている。誰かが教室に残っているのだろうか。

「誰かいるんスか?」

 教室の中を覗くと、誰もいなかった。消し忘れか。
 私は教室の電気を消すと、ドアを閉めようとした。

「閉めないでください」

 声が教室の中から聞こえた。誰かが残っていたのだ。
 私は急いで電気をつけて、教室の中を確認した。だけど誰もいない。
 聞き間違いか、と思って電気を消した。教室のドアは閉めないでおこうと思い、そのままにしていた。

 パチン

 何かが弾かれる音がした。明らかにそれは電気をつける音だ。
 私は教室の中を覗くと、誰かが椅子に座っていた。
 壁際前から4番目。うつむいてじっと座っている。さすがに怖い。

「あの、誰ッスか」

「……」

 その人は答えなかった。
 私はもう限界が来て、さっさと宿題を取って帰ろうとした。

「行かないで」

「?!」

 4番目に座っていた子が、いつの間にか前にいた。
 私は鞄で攻撃して、その場から逃げだしたんス。怖かった。
 あとで調べたら、その教室はすでに立ち入り禁止になっていた。元々、そのクラスは身体障害者を集めたクラスだったらしく、その4番目の子が自殺したらしい。


「怖い! マジで怖いんだけど!!」

「羅さんビビりすぎッスよ」

「だって怖いです白亜さん何でそんな怖い体験を——!!」

「じゃ、次は俺! これは俺が体験した話なんだけどさぁ」


 黒の少年〜蒼空視点〜


 俺は当時、仲の良かった奴らがいた。織川理央、木崎音緒、浅比奈奏人っていう奴らな。
 その4人で色々馬鹿やったりしたな。
 で、これは14歳の時なんだけど。その日は遅くまで学校に残って怒られてたんだ。

「蒼空、テメェのせいだ」

「何で俺なの?!」

 いたずらに失敗して、俺はその3人と怒られてた。主に俺のせいにされてたけどな。
 教室に帰り、さっさと家に帰ろうとした。その時、

「教室に誰かいないか?」

 理央がそんな変な事を言いだした。
 いや、誰もいないだろうよ。いたとしてもそいつは部活の野郎だ。まぁ6時だけど。
 教室を覗くと、全身黒ずくめの奴が黒板の方を向いていた。

「……誰?」

「俺が知るか」

「知らない」

「知る訳ねぇ」

 いや、この野郎。俺も知らないけど。
 とにかく全身黒ずくめは嫌だな。気味悪いし。早く荷物持って帰ろう。

「……ねぇ」

「ハイ!」

 呼ばれて思わず返事した。そんで奏人に殴られた。メッチャ痛い。
 黒ずくめの奴が、こっちを振り向く。のっぺらぼうだった。顔がない。

「遊ぼうよ」

「…………」

 俺は静かに理央達へヘルプの視線を送った。だけどあいつらも奴を見て固まっている。
 役に立たねぇぇぇえ! 何だこいつら、固まってんじゃねぇよ!!

「じゅ、重力操作——減少!」

 近くにあった机を軽くし、持ち上げる。そして奴に向かって投げつけた。

「重量操作、増加!!」

 ガァンと盛大な音を立てて、奴へ当たる。
 そのすきに理央達を起こして、俺らは教室を飛び出した。

「あいつ誰だ?」

「さぁ?」

「知らない」

「知る訳がねぇ」

「ですよねー」