コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 黒影寮は今日もお祭り騒ぎです。企画・もしも彼らが○○だったら ( No.182 )
- 日時: 2012/01/28 21:33
- 名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: GlvB0uzl)
- 参照: http://loda.jp/kakiko/?id
第10章 突撃☆隣の国のマフィアさん!!
中国。
翔さんは青い顔で降りましたが、徐々に回復してきました。よかったです。
すると、何やら中国語で呼ばれているような気がしました。何かやってしまいましたか?!
「翔! 来てるんなら来てるって言えよ!(←中国語」
「……兄貴?(←中国語」
翔さんは顔をしかめ、やってきた男の人から離れました。どこか翔さんと顔つきが似ていますが、ていうかそっくりです。
昴さんは笑顔でその男の人にあいさつをしました。
「せめて日本語で話してやってくれませんか? 俺ら、一応日本人ですよ?(←中国語」
「え?! 昴が中国語をしゃべっとる?!」
睦月さんが意外な反応を見せました。私も意外です。
すると、男の人は高らかに笑いました。そして日本語で話してくれました。
「ごめんごめん。翔が通訳をしてくれるかなって思ってたんだけどね? あははは。昴君も元気そうで何より」
「ご無沙汰してます、大地さん」
大地さんと呼ばれた男の人は「固いなー」と苦笑いを浮かべます。そして私達の方を見て、ニッコリと笑いました。
「初めまして、弟がいつも世話になってるね? 兄の東大地(アズマ/ダイチ)って言うんだ。よろしくね?」
お兄さんでしたか。
「あ、初めまして。翔さんが住んでいます、黒影寮の管理人代理を務めております。神威銀です」
「知ってる。翔から聞いてるよ。銀の鈴だってね? 気をつけてね、君の力は絶大だって噂だから。あ、大丈夫。俺は他の野郎と違って取らないから」
ニコニコとした笑顔を崩さぬまま、大地さんは言います。翔さんからの情報ですか。
「さ、行こうか? 車待たせてあるし。あまりお袋達を待たせるのも良くないしね」
***** ***** *****
車に揺られて1時間半。山奥に来た私達は、とある1つの豪邸の前で止まりました。
和風に作られた豪邸には、『東』と表札が掛けられています。中からは怒声みたいなのが聞こえてきました。
何を、しているのでしょうか?!
「……またやってるのかよ」
「翔も交じってきたら? 久々でしょー」
「八極拳は案外使ってるが、他はあまりやらないぞ? 一応全て出来るが」
「さすが天才の弟だねー。優秀優秀。日本語も拙くだけど、昴君に教えてもらって今ではスラスラとしゃべれるようになったしー」
あはは、と笑いつつ、大地さんは門をくぐります。そのあとに続き、翔さん、昴さんと入りました。
私達は門の前で戸惑っていると、翔さんが怪訝そうな顔をして訊いてきます。
「帰りたいか?」
「あ、いえ。あの、」
「やくざってのに少し抵抗あるかなー」
お兄ちゃんが鏡を使って皆さんの心の中を読みました。今すぐその鏡を叩き割りたいです。
すると、翔さんは声を上げて笑いました。珍しい事です。
「そんなに怖い場所じゃねぇよ。全員馬鹿な野郎ばかりだ。姉貴とかいるから女も混ざってるから安心しろ、ついてこい」
「最後、命令形じゃないですかね?」
まぁいいですけど。
私達は黙って門をくぐりました。そして目の前の光景に呆気を取られました。
「う、わ……。中国だよな?」
中国というのにもかかわらず、庭は日本形式。石造りの道にお屋敷も和風です。
本当にここは中国ですよね? 思わず確認をしてしまいます。
私は手鏡をポケットから取り出し、電話をかけます。鈴にです。
「……鈴。私は今、恐ろしい状況を見ています」
「何を言ってるんだ、銀」
呆れたようなコメントを返されました。
翔さんは道を進んで行き、お屋敷の中に入って行きました。慌ててあとを追います。
「よう、凛々。ただいま」
「……翔さん、それ何ですか?」
私は思わず訊いてしまいました。
何故なら、翔さんはパンダにあいさつをしていたからです。
翔さんは平然とした顔で、答えを返しました。
「何って、ペット?」
「ペットォォ?!」