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Re: 黒影寮は今日もお祭り騒ぎです。企画・もしも彼らが○○だったら ( No.189 )
日時: 2012/02/01 21:49
名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: GlvB0uzl)

第10章 突撃☆隣の国のマフィアさん!


「黒影寮の子に合うか分からないけど、まぁ食べれるだけでいいからね? 中国ではご飯を残すのは一般的だから」

 と、菊牙さんは言っていましたが、かなり豪華な食事です。
 本場の中国料理、始めて見ました。北京ダックとか間近で見ました。
 翔さんと昴さんは手慣れた調子で料理をよそっていきます。翔さんはもとよりですが、昴さんはさすがです。翔さんと一緒にいるだけありますね。

「銀ちゃんはなんか食べる?」

「え、いいんですか?」

「中国はこういう円卓の料理を少しずつ取り分けて食べるんだよー。食べたいものがあれば回せばいいし」

 昴さんは真ん中の少し高い机をくるくると回しつつ、笑顔で答えました。初知りです(作者の知識があってるか分かりません!)

「ていうか、蒼空もすげぇ手慣れてるんだけど?! 超盛ってない?!」

「ふぁい?」

 海老チリを大量に口の中に含んだ蒼空さんが首を傾げました。お行儀が悪いですよ。

「ふがふが——んぐ。中国に旅行しに来た事あるからなー。椛先輩が連れてってくれた」

「椛先輩?」

「ん。転校前の高校にいた先輩」

 蒼空さんはニッコリとした笑顔で言いました。何でも1年生の最初に転校してきたとか何とか。
 それはさぞかし辛かったのでしょう。仲の良かった先輩らしいですし。

「でもねー、いきなり妖怪みたいな樹を育てた時は、あれ止めるの大変だったなぁ……」

 蒼空さんが遠くの方を見ながら苦笑いを浮かべました。それはさぞかし辛かったでしょう……。
 翔さんは水餃子を口に運びながら、言います。

「妖怪か。懐かしいな、河童狩りした事あるぞ」

「お。したね、河童狩り。江戸時代の時なんかそんな」

「あー、したねー」

 大地さんと菊牙さんがうんうんと頷きます。何をしているんですか?!
 河童が可哀想です。

「えー、でも住民には喜ばれたよ?」

「何せ、住民を川に引き込むからね。迷惑してたんだと思う」

「だからって……狩るんですか」

「あぁ。皿割った」

「酷い?!」

 これには空華さんがツッコミを入れました。そりゃ入れますか。
 あはは、と菊牙さんは笑いました。

「まぁね。皿割った時はさすがに酷い事をしたなって思ったよ。翔」

「テメェだって皿割るどころか火あぶりにしてたじゃねぇか。俺よりタチが悪いと思うぞ」

 もぐもぐと水餃子を咀嚼する翔さん。菊牙さんは高らかに笑いました。
 何ですか。東家ってこういうノリが多いんですか?! それとも私だけですかーっ?!

「銀。ぎーんー」

「ん? ハイ。鈴、どうしたんですか?」

 鈴が鏡の向こうから声をかけてきました。どこか焦った雰囲気です。

「どうしよう。悪魔の1人がそっちに行ったかもしれない」

「キャス君ですか?」

「んにゃ。違う。紫月っていう奴で——多分、翔が知ってると思う」

「翔さんが?」

 翔さんの方へ視線を向けて見ます。本人は、どこか怯えたような表情、というか全力で嫌そうな顔を浮かべました。
 だ、誰ですか? キャス君みたいな人ですか?!
 その時です。声が聞こえてきました。

「しょーうーにーい!!」

 何かを破壊する音と共に、翔さんが床に転がります。何かをよけました。
 壁に誰かが突き刺さります。子供、でしょうか。

「翔兄、何でよけるんだよ! せっかく鈴の目を盗んで会いに来たって言うのにー!!」

「紫月。飛んで入ってこないでくださいますか」

 琳さんがピシャリと言い放ちました。
 紫月と呼ばれた男の子は、う、と呻き声を上げます。この子が紫月ですか。
 男の子はこちらに目を向けると、勢いよく頭を下げました。

「どうも! 翔兄ちゃんの従弟の、紫月です! よろしく!」

 い、従弟?!