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Re: 黒影寮は今日もお祭り騒ぎです。企画・もしも彼らが○○だったら ( No.207 )
日時: 2012/02/09 22:08
名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: GlvB0uzl)

第10章 突撃☆隣の国のマフィアさん!


 リネ・クラサ・アイリス。創造主の子です。
 武器を片手に彼女は言いました。

「早く神威銀を渡してください。10秒間上げます」

「誰が渡すか!」

 翔さんが前に進み出ました。赤い鎌を空中から引き抜き、死神ルックへ早変わり。なんと!
 リネさんはそれを見た瞬間に顔をしかめました。

「炎の死神、ですか。厄介な人が出てきました」

「ハッ! だったら大人しく——」

 諦めろ、とまでは行きませんでした。何故なら、翔さんが吹っ飛ばされたからです。
 一瞬にして、翔さんは30メートルほどノーバウンドで飛ばされていました。ものすごい音が響き渡ります。
 昴さんが「翔!」と叫んで、翔さんのもとへ駆け寄りました。

「私は予定外の事はしたくありません。抵抗せずに早く渡してもらえれば幸いです」

「やなこった! これでも食らえ!」

 蒼空さんが重力操作により持ち上げた大きな岩を、リネさんの上に落とします。
 あれで誰もが終わったと思いましたが、

「まだだ!!」

 お兄ちゃんが後ろから叫びます。同時に、リネさんの腕が私を掴みました。すごい腕力です。
 まさか、これ私連れて行かれます?

「銀ちゃんから離せえぇぇええ!」

「羅さん!」

 羅さんが怒号と共に、こちらへ走ってきます。
 それを見たリネさんは、小さなため息をつきますと私を地面に放り捨てて羅さんの腕を押さえます。

「な、物質分解が効かない——?!」

「能力殺し、という言葉を知っていますか。それは文字通り、能力が効かないんですよ。殺しているんです」

 リネさんは懇切丁寧に教えますと、羅さんの腹部めがけて強烈な蹴りを叩きこみました。翔さんと同じくノーバウンドで家の中に突っ込んでしまう羅さん。
 ど、どうしましょう。このままでは勝ち目がありません。

「銀! ごめん!」

「鈴?!」

 そこで私の意識はブラックアウトしました。


 っと、ここからは銀の体を乗っ取り俺視点(つまり鈴視点)で送るぜ。
 まずいな。リヴァイアサンがリネを出してくるとは思わなかった。それほど切羽詰まっていやがるのか? リヴァイアサンの中でリネは最強だからなー。
 かといって、銀が悲しむ事は見たくない。俺も立ち上がるとしますか。

「『遥か古を作りし神々よ。我の言葉を聞き給え。我が願いを届け給え——』」

 さぁて、今回は誰を降ろそうか。

「『守りの神よ。唯我独尊をゆく天使よ。死のない鬼よ。雷を操る悪魔よ。燃える氷の悪魔よ。降臨せよ!』」

 ヴァルティア、ソード、天谷、紫月、そして日出を呼びだす。
 悪い。少し荒っぽくなるかもしれない。

「翔にいが危ないんなら、僕だって協力するよ?」

 紫月は全身から放電させながら言う。さすが翔LOVEな奴だ。これは期待できるかもしれない。
 俺はヴァルティアに「関係のない奴は巻き込ませるな」と言いつけ、日出とともに守らせる事にした。バリアを張れるんだからそれぐらいしろ。
 さて、こいつに神様の攻撃は効くか?

「ソード!」

「あいあいさ」

 ソードは軽く敬礼を返すと、気絶した羅に向かって命令する。

「『お前ちょっと起きろ!』」

 人には分からない言語でしゃべると、羅が人形のように立ち上がった。これはこいつの特性だ。
 簡単に言うと、人を操る事が出来るみたいな。そんな感じ。用途は違うけどね!
 羅はふらふらと操られた人形のように、リネに近づく。そして腕を持ち上げた。物質分解を発動し、武器を分解させる。それはもう粒子レベルに。

「……なるほど。やりますね」

 リネは苦々しげにつぶやく。それは本当に思ってるのか?
 まぁいい。このまま反撃だ!

「紫月!」

「分かってるよ!」

 紫月は地面を駆ける。左手には雷の玉が浮かんでいた。うわぉ、それをぶつけるつもり?
 だが——リネは笑っていた。

「銀の鈴——神威鈴の方ですね?」

「知ってるのか」

「えぇもちろん。あなたが神を降ろせるのも知っていますよ」

 リネは新たに武器、今度は日本刀を生成すると、紫月に向かって振り下ろした。
 走っていた紫月は急停止できない。そのまま白刃に向かって——!

「地獄業火、獄炎乱舞!!」

 ゴウッと炎が紫月とリネの間に割り込んだ。おそらく高温であろう炎が、日本刀の刃を溶かす。
 翔が復活した。

「て、めぇ……。やってくれるじゃねぇか……!」

「……何ですか。起きたのですね。じゃあ面倒なので——」

 リネは俺の方を向いた。え、何?
 それに気づいた天谷が、俺をかばうように前へ出る。不死だけど、お前は!!

「殺しはしません。少し気絶させるだけですので」

 天谷に守られている事も気にしていないのか、リネは刀を生み出した。

***** ***** *****〜空華視点〜

 鈴でもリネには苦戦するか……。
 やばいな。どうしたらいいんだ? リネに対抗できる力……。

「なんとかリネから武器を生み出させなければいいんだけどなー」

 蒼空が隣でそんな事を言う。
 武器を生み出させない? そうか。それだ。

「蒼空、ありがとう」

「へ、何が?」

「勝機が見えた」

 これなら勝てる。だけどみんなを犠牲にするかもしれない。
 俺様だけが犠牲になるなら、それで構わない。だけど……。

「まぁ、何があるんか分からんが」

 睦月が俺様の肩を叩く。

「その作戦、話してみ」

「……覚悟してくれよ」

 俺様は全員を招集し、作戦を話す。
 全員は2つ返事でOKしてくれた。