コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 黒影寮は今日もお祭り騒ぎです。企画・もしも彼らが○○だったら ( No.219 )
- 日時: 2012/02/13 21:25
- 名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: GlvB0uzl)
- 参照: バレンタイン? 何それおいしいの?
バレンタイン企画! メデューサ様
キーンコーンカーンコーン、とチャイムが鳴る。
給食の時間が終わり、生徒達は教室の外へ出る。校庭に遊びに行く人、他の教室で話す人。さまざまだ。
私は、とある人と2人きりで教室にいた。
二条蒼空君だ。
「ねぇ、蒼空君?」
「むにゃー」
お腹がいっぱいになったのか、蒼空君は気持ちよさそうに寝息を立てている。
寝顔が可愛くてどきりとする。でも、起こさないと。あれが渡せない。
「蒼空君、起きてよー」
「むがー」
「……チョコ、渡したいのに」
その声に反応してか、蒼空君が飛び起きた。
「ふぇ? あれ、メド? どうしたん?」
「い、いきなり起きないでよ……!」
まだ心の準備ができてないのに。
でも、渡さなきゃ。今日こそ思いを伝えなきゃ!
「こ、これ!」
「んー? これって、今日は14日……ハッ! まさかバレンタイン?!」
蒼空君は私が手渡した紙袋をきらきらとした目で眺める。
ちゃんと、気持ちが届いて——る訳ないか。そうだよね。チョコだけだもんね。
蒼空君はきっとモテるから、たくさんチョコを貰ってるだろうけど。
「おぉ! すっげーうまそう! これ手作り?」
「え、あの。そ、そんなに騒がないで……!」
バタバタと嬉しそうに教室内を駆けまわる蒼空君。何をしてるの。
そんなに騒いだら他の人に——。
「おい、蒼空。何を騒いで——それチョコか?」
「おうそうだぜ! メドがくれたんだ!」
嬉々として私を指す蒼空君。ふぇぇ。何を言ってるのー!
教室に入ってきたクラスメイトは、物珍しそうな目で私と蒼空君が持つ紙袋を見つめる。
「へぇ、珍しいじゃん。メドが蒼空にチョコかよ。似合わないコンビー」
「カップル成立?」
ほら、囃したてられた……。
泣きたい。
「お前ら、そんな事で囃したてるなんてガキだなー」
「う、うるせー! どうせお前はチョコをたくさんもらってるだろーが!」
「へ? 何を言ってるんですか。俺はチョコをもらってないですー。1個も!」
1個も、もらってない?
「だって、本命からもらえればそれで十分だし!」
「え、蒼空君?」
蒼空君は、私に青い目を向けてきた。真っ直ぐに。そして照れくさそうに笑いながら、言う。
「メド。俺、お前が好きだ!!」