コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: 黒影寮は今日もお祭り騒ぎです。企画・もしも彼らが○○だったら ( No.225 )
日時: 2012/02/14 21:50
名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: GlvB0uzl)
参照: バレンタイン? 何それおいしいの?

2月14日 バレンタイン


 という訳で、黒影寮でもバレンタインですが。
 黒影寮から帰ってきた皆さんは、大量にチョコを抱えていました。さすが皆さん、モテますね。
 特に翔さんと昴さんと空華さんのチョコの量は半端じゃなかったです。

「何でこんなに貰うんだろ」

 昴さんは山のようなチョコを見て呆然とつぶやきました。それ、お返し作るんですよね?
 甘いもの大好きな翔さんは早速手作りであろうトリュフを口に運んでいました。嬉しそうです、表情からして。

「お返しどうしよう。飴の袋を買って、それをばらまくか」

「それ可哀想じゃありませんか! 皆さんが好きで渡した可能性もあるのに!」

 思わず言ってしまいました。皆さんの視線がこちらに注がれます。

「そーいえば、銀ちゃんはチョコくれないの?」

 蒼空さんが首を傾げて訊いてきました。
 実は、私は皆さんに感謝の意をこめてチョコを作ってあります。ですが、こんなに貰ったのではさすがに渡せないです。渡せる勇気がないです。
 鈴にはあげましたが。

「ぎーんちゃーん!」

「きゃあぁぁぁ! ら、羅さん?! 屋根を分解しないでくださいよ! ていうか何で空から?!」

「私がいけないんスね。ハイ、神威さん。学校でもらったチョコのお礼です」

 羅さんと一緒に白亜さんも飛び込んできます。そして私に袋詰めされた手作りであろうクッキーを渡してきました。
 ありがたく受け取る事にします。

「そう言えば、黒影寮の皆さんにチョコを渡さないスか。作ってたんじゃないスか?」

「え、あ、いやー……」

「あるんならもらいたい、全力で!」

 キラキラした瞳で話に飛びついてきたのは空華さんです。あなた、大量のチョコがあるじゃありませんか。
 ですが、ここで話をごまかすことはできません。私は冷蔵庫からマカロンを取り出します。
 一応手作りです。頑張りました。

「あの、初めて作ったんですけど」

「美味い!」

「高梨羅! お前、何食ってるの?! それ銀ちゃんがくれた奴ー!!」

「何言ってるんだ、銀ちゃんの手作りマカロンはあたしのものー!!」

「何ジャ○アン的な事を言ってんのお前ー!」

 羅さんVS黒影寮の皆さんの戦いが始まりました、が。1人だけ参加しなかった人がいます。
 睦月さんです。

「睦月さん、どうしたんですか?」

「あ、いや。ワシには従姉がいてな。その従姉の影響でワシはアメリカ風のバレンタインしかやった事ないんや」

 ポリポリと頬を掻きながら言う睦月さん。心なしか、その頬は赤いです。
 何があったのでしょうか。アメリカ風って何ですかね?
 睦月さんは私に花束を突き出しました。

「アメリカは、好きな女の子に男が赤いバラを贈るんねん。受け取ってくれへんか?」

 花束はいっぱいの赤いバラでできています。私は喜んで受け取りました。

「ありがとうございます、睦月さん!」

「あ、いや、あの//」

「大切にしますね!」

「お、おう」

 その時です。

「「「「「睦月ぃ、テメェ殺す!」」」」」

「何や?! 何でワシが狙われなアカンの? それだったら貴様らもアメリカ風にやれーっ!」

 睦月さんは何故か知りませんが、黒影寮の皆さんと羅さんに攻撃されていました。
 バラ、とてもいい匂いです。

「ねぇ、銀ちゃん」

「あ、空華さん。マカロンですか? どうぞ?」

「ありがとー。ねぇ、これって本命? それとも義理?」

 空華さんがいつになく真剣な表情で訊いてきました。
 本命、ですか。

「そうですね。本命でしょうか。皆さん、大好きですから♪」

 そう笑顔で言いました。


「やっぱ銀ちゃんを落とすのには時間がかかるんじゃないか?」
「いや、翔が成功してるんだぜ? 絶対成功する」
「おい、俺を何だと思ってるんだ」
「黙れこの少女容姿死神! ハート泥棒!」
「何で蓮が爪を突き立ててー?!」