コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 黒影寮は今日もお祭り騒ぎです。大ヒット御礼、劇場版展開! ( No.239 )
- 日時: 2012/02/23 11:55
- 名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: GlvB0uzl)
- 参照: バレンタイン? 何それおいしいの?
劇場版 第4章
ここで少し銀視点です。つまり私です。
えーと、まず最初に気づいたのは、私は2人の女の子と一緒にベッドに寝かされているというところです。
何ででしょう? 私にも分かりません。
1人目の女の子は、茶色のセミロングが似合っているいかにも女の子っていう感じの女の子です。
もう1人は私と同じ銀色の髪をした、中学生ぐらいの女の子です。身長も私と同じぐらいです。
何をされるのでしょう。これから。
「ぅぅ……眠い」
「ふぁぁい。おはようございます〜」
茶髪の女の子と銀髪の女の子が起き上がりました。
「おはようございます。あの、ここがどこだか分りますか?」
「全然。ねぇ、それよりも訊いていいかな。私の他に誰かがいたと思うんだけど、知らない?」
「知らない。うちも仲間がいたんだけど、見当たらないな。優羽ー、いねぇ」
それぞれ別の人を探している様子です。当然私も探しています。黒影寮の皆さんを。
ど、どこに行ってしまったのですか?!
「ま、いいか。あとで施設内を駆け回って探そう。君名前は?」
「お、じゃあうちも名乗っておいた方がいいのか? わーい、じゃあうちから最初」
銀髪の女の子はベッドから飛び降りますと、胸を張りました。
「うちの名前は八雲優奈! あだ名はやーさん。ちなみに独身よろしくね!」
独身なのは当たり前でしょう。あなた、未成年でしょ?
次に名乗ったのは茶髪の女の子です。
「私は相崎優亜。優亜って呼んでね」
「相崎って、あの薬品会社からおもちゃ会社を束ねるマルチ総合会社の?」
「そうよ。いや、正確には分からないけど、多分」
優亜さんはえへへ、と照れ笑いを浮かべました。
やーさんと名乗った女の子は、広い部屋を駆け回っています。
「それで、あなたは?」
「私は神威銀と言います。よろしくお願いしますね」
「銀ちゃんね。よろしく!」
お互いに手を取り合い、私達は笑いました。
その時です。
ドアが開きました。中から入ってきたのは、黒いスーツを着て黒いサングラスをかけたマッチョな男性です。怖いです。
「お目ざめになられましたか、クイーン」
「クイーン?」
***** ***** *****
翔が祀られている神社に一時的に避難し、全員で思考する。
これからどうするべきか。3000年の世界なんて行った事ないからな。
「で、テメェらはこれからどうするんだ?」
「どうするか考えてるんだよ。テメェも考えろ!」
過去と未来の翔が言いあいをする。ある意味シュールな光景である。
そこで、鈴が未来の翔へ尋ねた。
「失礼ですけど、今何歳ですか?」
「ん? これでも2700歳だ。そこの異世界の野郎どもは引くんじゃねぇよ。本当の事だ。死神は100年に1度しか誕生日が来ないからな」
「と言う事は、あなたは27歳なんですね?」
直人が未来の翔へストレートに訊く。それに頷く未来の翔。
「27ぁぁぁぁ?! 若ぁ! 今の翔ちゃんと変わらないし!」
「ハァ? これでも老けたなとか思うぞ。髭も生えるし」
「ひげぇぇぇ?!」
悲鳴のような声を上げて昴は倒れそうになる。そこで翔が鎌で昴の頭を叩いた。
「真面目に話を進めるぞ。年の話をしている場合じゃ——」
そこで、翔の声が途切れた。
何故なら緊張した空間に、まさかのA○B48が流れたからだ。ちなみに曲名は『ポニーテールとシュシュ』である。
「あ、俺だ」
「テメェか」
未来の翔が虚空へと指を滑らせる。すると、テレビの画面みたいなのが出てきた。
「ニュースを知らせるアラームだよ。1000年前の曲の方が温かみがあるからな。今は機械だ」
テレビの画面にはニュースキャスターロボが、紙を持ってニュースを読み上げている。
機械的な声で読み上げられたのは、こんなニュースだった。
『クイーン・涙様が近々婚約をされるとの事であり、政府はどこの国の王なのかを調べる事になり——』
「へぇ。涙が婚約か」
知らない名前を口にして、勝手に頷く未来の翔。
不思議に思った怜悟がその涙について未来の翔へ訊くと、
「神威涙って女だ。この国を再建させた神威家の娘」
「神威って、黒影寮の人が探してる神威銀って奴の娘とか?」
「銀は長生きだな。500年も生きていたのか。馬鹿かテメェ。人をよく学んでから言え」
翔汰の言葉を未来の翔は変わらぬ毒舌で一蹴する。
「銀の遠い子孫だ。神威家は続いたらしいな。再建の筆頭となりこの国を立て直したのさ。だからクイーン呼ばれるようになったんだろ」
全員でテレビ画面に目を向ける。
そこに映っているのは、まさに銀そのものだった。銀髪のセミロング、黒い瞳。これで服装が白いドレスじゃなければ完璧に銀だ。
真っ先にぶっ倒れたのは羅だ。
「ハゥ。銀ちゃんマジかわいい……」
「羅さん。あれただのドレスッスよ?」
でもかわいいな、と冷静な答えを返す白亜。兄である白刃も同調した。
次のニュースへ移るキャスター。
『涙様のご友人が入国されまして——』
「友人なんていたんだ」
『名前は相崎優亜様。おそらくアメリア平和国の姫と見られ、異国の言葉をしゃべり——』
「相崎優亜だって?!」
そこへ瀬野翔が食いつく。確かに画面に映っているのは優亜だった。こちらは青い色のドレスを着ている。
とりあえず無事だと言う事を知った瀬野翔と燐は、静かにその場へ座り込んだ。
『そしてクイーン特務警備隊が結束され、その筆頭となったのはわずか14歳の少女。名前は八雲優奈——』
「やーさん?!」
今度は優羽が食いついた。画面に映ったのは銀髪で青い瞳の女の子。穢れのない白い鎌を片手に、廊下を疾走していく。
『やーさん走っちゃ危ないですよ』
『大丈夫だって。うちは死なない♪ 銀ちゃんも走ろうよ』
「銀?! 涙じゃないのか!」
優羽を払い、黒影寮が画面を占拠する。あれ、でも何で? そこにいたのは涙じゃなくて、銀?
未来の翔はそんな3チームに、残酷な事を告げた。
「そいつらがどこにいるか教えてやろうか?」
「「「ぜひとも」」」
「あそこ」
神社から見えた高い建物を指す。
かなり遠い場所にあるビルのような建物——
「クイーンズ・オブ・キャッスル。あそこな」
「「「嘘だろ?!」」」