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- Re: 黒影寮は今日もお祭り騒ぎです。大ヒット御礼、劇場版展開! ( No.240 )
- 日時: 2012/02/23 21:40
- 名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: GlvB0uzl)
- 参照: バレンタイン? 何それおいしいの?
劇場版 第5章
「何で銀はあんなところにいるんだ!」
蓮が未来の翔へ掴みかかった。いや、そう言われても未来の翔も答えようがない。
おそらく、こちらに来る際に銀だけ別のところに飛ばされた結果、クイーンズ・オブ・キャッスルだったのだろう。だがそんな事を話しても、聞き分けのいい(というか能力持ちである)黒影寮はいいけど、瀬野翔とか燐とかルーキーとか聞き分けなさそう。
——という作者の見解。いかがでしょうか?
「零点」
何だと。リオン、お前覚えておくがいい。
「蓮、落ち着け。何も銀を救えないと言う訳ではないだろう。空華、あそこまで飛べるか?」
「無理かな。さっきからやってるけど、結界みたいなのが張ってある」
空華は自身を転送する術、『終り空』の呪文を唱えている。が、成功していないらしい。
睦月の瞬間移動も距離の問題で無理だと判明。
「だったら空間移動術を使うか」
「無理だな」
これには未来の翔が否定した。
「まず建物には結界が張ってある。過去の俺と同様、面倒だから空間移動術を使ったが侵入者として捕まえられそうになった。処刑されてもいいのなら行けばいい。ただし、銀には多大なる迷惑がかかる」
「だったらどうしろって言うんだよ。強行突破か?」
蒼空が未来の翔に提案した。
羅が「結界なんか分解してやるぜ、待ってな銀ちゃん!」と言って駆け出してしまう。
「おい、誰かあの赤い娘を連れ戻してこい。撃たれて死ぬぞ」
「どうして? 物質分解でも難しいの?」
黒影寮でも強い方に位置する物質分解。相手がイケメンなら負けなしである羅にかかれば簡単に壊滅させられるだろう。
だが、未来の翔は首を振った。
「まず相手はロボットだろう。いくつでもスペアはある。しかも相手は何人いると思う? およそ1億体だぞ。それぐらい警備は厳しい。それに能力ブロッカーって言って、建物内では能力が使えないんだ」
「でも、やーさんは鎌を出せてたけど」
「それは特務警備隊だからだろ。身内にはブロッカーは効かない。ただし、外からの侵入者だと名簿に載ってないから適用される。1億の餌食になるのも時間の問題だと思うが?」
「昴ー! あの赤ビッチを3秒で捕まえて来い!」
「もう捕まえた!」
昴は羅を気絶させて担いで連れてきた。
「まぁ、気長に待つんだな。クイーンは婚約するし」
「こ、婚約? まさか、銀ちゃんが結婚しちゃうのか?」
「あほだな、空華」
未来の翔は鼻で笑う。
「まさか、本物が帰ってくればそれでOKって事ですか?」
「そう言う事になるな。ちなみに言うが、優亜の方も婚約の話が進められているらしいぞ。いらん世話だな」
瀬野翔の推理に余計な事を言った未来の翔。それで瀬野翔のスイッチは入った。
「早く本物の神威涙様を探しましょうか」
「え、翔さん?」
何をしてるの、と睦月が訊く前に、瀬野翔はニッコリとした笑みを浮かべて言う。背中からは般若が見えた。
やばい。これは本気で探そうとしている。
そして無理やりにでもキャッスルへ連れて帰るつもりだ。自分の主が危ないとなると、瀬野翔はとたんにスイッチを入れ替える。
「優亜様の為にも、一刻も早く!」
「ま、頑張れよー」
「あなたも協力するんですよ?」
「え」
瀬野翔に言われ、未来の翔はため息をついた。