コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 黒影寮は今日もお祭り騒ぎです。大ヒット御礼、劇場版展開! ( No.242 )
- 日時: 2012/02/26 21:38
- 名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: GlvB0uzl)
- 参照: バレンタイン? 何それおいしいの?
劇場版 第6章
ハイ、皆さん初めまして。うちは八雲優奈。あだ名はやーさんっていう13歳中学2年の女の子!
チャームポイントは銀色の髪と青い瞳☆
え、自分で言うなって? ごめん☆☆
「それで、あなたには任務に行ってもらいます」
「だが断る」
うちは今、任務と言うものを押しつけられているのであった。
何故かって? そりゃ分からない。今さっき呼ばれたばかりだから。
うちは女王特務警備隊の隊長らしい。まぁ、2の2くえすとルーキーだから人を守る事ぐらいできますけど。それが仕事ですけど。
で? 何か入ってきたのか?
「涙様の婚約パーティーに出席してもらいたい人がいるのですが、その人がかたくなに拒むんですよ」
「招待しなければいいじゃないですか」
「それが、涙様のご先祖様から知っている神様でございますから、是非参加してほしいのですが」
だから呼ばなければいいだろうが。それでうちが動くのか。
女王特務警備隊なのに?
「何だ。警備隊ってただの雑用係じゃん」
「雑用ではありません。任務です」
「それを雑用って言うんだよ」
うちの副担任——王良空華って言う我流忍術使いの奴がいるんだけど、そいつの言葉を思い出した。こういうのやらされてたような感じがするようなしないような。
ハァ。何でこういう役目ばかり回ってくるのかな。優羽いないし、みんないないし。
どこ行ったんだろう?
「分かりましたよ。じゃあ、代わりに銀——間違えた、涙様を守ってくださいよ。あと優亜ちゃんも」
「優亜様を呼び捨てにするのではありません!」
「だって本人がそう言ってたし、いいんじゃないの?」
うちは窓から飛び出した。めちゃくちゃ高かったけど、もう慣れたかもしれない。
……で、その神様って誰だ?
***** ***** *****
「うーん……。でもどうやって能力ブロッカーを越えて銀ちゃんに会いに行くかが問題だよな」
昴が腕組みをして考える。
目下の問題は『神威涙を見つける事』と『能力ブロッカーを越えて銀に会う事』である。まずは後者の方を考えているらしい。
「瞬間移動にも限界があるんだろ?」
「スマン。ワシの今の力じゃせいぜい半径40キロが限界や。ここから1000キロ以上も離れてんやろ? ここ案外奥深いなー」
町がでかいだけじゃねぇの? と後ろから未来の翔が言ってくるが、みんなはあえて無視をした。
未来の翔からこの国の情報を聞き出すと、ここは空に浮いているバカでかい都市らしい。
人口はおよそ7割がアンドロイドかサイボーグ。軍事用には開発されていない。人間は約3割で、銀の子孫である涙もその1人に入る。
涙はこの都市を作った筆頭の娘であり、女王の座に君臨しているのだとか。
「この神社がもう少し近い場所に建っていれば問題はなかったと思うねんけど」
「……ルーキーの力を使ってもダメなんだろうね」
美影が少ししょんぼりしたような声を出す。仲間である八雲優奈の事を案じているようだ。
瀬野翔も燐も主である優亜が婚約する前に助けだすと意気込んでいる。
だが、問題の涙が見つからなくては始まらない。
「やっぱ1億体を素手で倒すしかないんじゃない? 翔ちゃんは中国武術と棒術をマスターしているから死神の力を使わなくても十分強いでしょ。空華だって暗殺術は教え込まれているでしょ? 悠紀はパソコンが使えるからハッキングなんてのも」
「それで1億体全てを操れって? 無理な話だよ。大体、僕にハッキングなんていう高等技術はできない」
悠紀は昴の言葉を一蹴する。その台詞に「俺の友達ならいるんだけどな……」とつぶやいたのは蒼空だった。だが、彼の声は誰1人として聞かなかった。
みんなしてうーんうーん悩んでいると、外からものすごい轟音が聞こえてきた。
窓ガラスがビリビリと鳴り、風が木々を揺らす音がする。
「誰だー?」
未来の翔が重たそうに腰を上げ、窓を開けて外を出る。みんなも外を見た。
殺風景な神社の境内に現れたのは、1人の少女だった。
銀色の髪で青い瞳。手には穢れの1つも見当たらない白い鎌が握られている。その少女は、2の2くえすとルーキーがよく知る人物だった。
「「「「「や、やーさん?!」」」」」
八雲優奈は、未来の翔へ笑顔で言う。
「女王特務警備隊の隊長、八雲優奈です。少しお話いいですか?」