コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 黒影寮は今日もお祭り騒ぎです。ただいま祭り開催! ( No.273 )
- 日時: 2012/03/15 22:18
- 名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: GlvB0uzl)
- 参照: http://www.kakiko.info/bbs2/index.cgi?mode
黒影寮フェスティバルその1!
マリ様より。
東翔に神威鈴がいたずらを仕掛けたら。
と言う訳で。夜中ですよ。
どうもどうも読者のみなさん初めまして? か? 神威鈴です。神威銀がお世話になってます。
実はですね。銀とここの寮長、東翔との距離が縮まらない為やきもきしている俺です。別に銀が幸せになれば誰だっていいんだけど。
でもまー、銀だって一生孤独はさみしいだろうし、子孫に銀の鈴を渡さないといけないし!!
そこで!!
俺が銀の体を乗っ取って、翔にいたずらを仕掛けようと言う話です。
夜中だと銀は寝ている。(もちろんだ)俺が銀の許可なく体を乗っ取れるのは2つ。
1つは銀が混乱している、または意識がない時。もう1つは寝ている時だ。現在、銀は後者の方に当てはまる。
さてさて。乗っ取らせてもらいますか!
「……んしょっと。まぁ別に、女の姿になっただけで」
鏡で銀の姿を確認する。今は夏なので、半袖のワンピースのパジャマを着ている。はっきりと言おう、めちゃくちゃ可愛い。
これなら翔を誘惑できるんじゃね?
やってやろうじゃないか!
「う、うーん……」
鏡の向こうで銀が俺の姿で寝返りを打つ。
あぁ、何か女々しい。もういいや、気にしない。
「それにしても、胸が痛いな……」
パジャマの襟ぐりを引っ張り確認する。
…………見なきゃよかった。
「寝る時ってしてねぇの……?」
件の東翔の部屋に到着です。部屋にかかっているネームプレートには、達筆で『東翔』と書かれていた。さすが茶道の家元の息子。書道もお手の物か。
扉をギィと開けると、黒を基調とした部屋が視界に広がった。
綺麗に整頓されているな。本棚はきちんとそろっていて、しかもタイトルは全て英語。洋書か、銀なら読めそうだ。机の上には必要以上のものは置かれていない。ペン立てと学校の教科書、ノートとかそれぐらいだ。
少しノートを見させてもらうと、完璧に答えが書いてあった。宿題か?
ちょっと落書きしちゃえー。
『あんまん食べたい』
「ぶはっやべぇww」
普段は俺様を装っているこいつがこんな落書きをしたらどうなるだろうか。ぶははやべぇww
さて、問題は——
「お、寝てる寝てる」
ベッドを覗き込むと、すやすやと寝息を立てながら翔は寝ていた。死神で表情をめったに崩さないのに、この時だけは子供のようにあどけない寝顔をしている。
「よし、油性ペン油性ペンー♪」
ペン立てを覗き込むと水性ペンしかなかった。残念。これで額に『肉』とでも書いてやろう。
その時、俺の手を翔が突然掴んだ。
「ん、んー……」
うめき声を上げて、翔の瞳がのろくさと開かれる。ぽけーとした目が俺を真っ直ぐに見つめた。
「ん、ぎんー……? ふぁ」
「あ、ご、ごめんなさい。起こしてしまい——うわわ?!」
「おやすみー」
いきなり俺をベッドに引き込み、抱き枕のようにして寝始める翔。
この野郎、確信犯か?! 俺が動けない!!
「しょ、翔さん。起きてください離してください!」
「いやー」
「いやーじゃなくてよもう! 調伏すっぞ炎の死神!」
スパンッと叩いたが、一向に離す気配なし。どうしよう、神も降ろせないしな……。
俺は何とか翔の拘束から抜け出すと、ふぅとため息をついた。こいつ、寝相悪い。
すると、突如翔が起き上がった。そして再び俺の腕を掴む。
「ふぇ、おい?」
思わずいつもの口調で問いかけたが、今の翔に気づくよしもなし。
で、当本人。何故か俺に顔を近づけてきて——ってこれまさかキスかキスなのかおい?!
待て待て。俺がいたずらを仕掛ける方だったのに何故逆転している。寝起きは天然ボケなのかこいつ?
とにかくその前に重要な事だ!
「お・れ・は・男だー!!」
「ぶげっ?!」
翔に右ストレートを叩きこみ、昏睡させる。
よし、もう帰ろう。俺の身が危ない。ついでに銀の身も。
〜次の日〜 銀視点
「あ、皆さんおはようございます——翔さんどうしたんですか、頬のあざ」
私は起きてきた翔さんを見て首を傾げました。翔さんの頬には青黒いあざができていました。
誰かに殴られたのでしょうか。この寮は個人部屋ですけど……。
「何か知らんが、殴られた」
「痛いですか? 湿布張ります?」
「頼む」
私が救急箱から湿布を取り出すと、鏡から鈴が話しかけてきました。
「銀。寝ているかもしくは寝起きの翔には近づくな」
「? 一体どうしてですか?」
何があったのですかね、本当。