コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 黒影寮は今日もお祭り騒ぎです。オリキャラ募集!詳しくは本文へ ( No.28 )
- 日時: 2011/10/20 15:56
- 名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: GlvB0uzl)
- 参照: 行きます山下初のハーレム!!
第2章 とある彼女は銀の鈴。
ぼんやりと目を開けると、視界に広がっていたのは天井でした。
廊下に大の字で寝ているとははしたないですね。私はすぐに飛び起きました。
一体どれぐらいの間寝ていたのでしょうか。窓から差し込む赤い光を見て、どうやら私は夕方まで気絶していたようです。
あれ。でもおかしいですね。
私がいたのは朝ですよ?
「やぁ銀ちゃん。起きたんだね」
「矢崎さん。私は夕方まで気絶してたんですか?! もしそうなら帰らないと……!」
廊下の奥から現れた矢崎さんに腕を掴まれました。
笑顔が怖いです。何かを企んでいるような感じがします。
「あの、矢崎さん?」
「ここは俺の世界さ。この世界を作った。俺はね、創造者(クリエイター)っていう能力者なんだ。自由に世界を創造できるんだよ?」
「……でしたら、何故私だけをこんな世界に?」
矢崎さんの腕に力が込められます。かすかに痛みを感じました。
「決まってるでしょ。銀の鈴」
「何ですか、その名前。確かに私は銀という名前ですが、そんなあだ名は聞いた事が——」
「ある訳ないよ。だって、君は俺らの力を増幅させる事が出来る術式、『銀の鈴』をその体に秘めているんだからね」
***** ***** *****
〜昴視点〜
あれ。誰か足りないような気がする。
そうだ。怜悟だ。怜悟が足りないんだ。それに銀ちゃんもいない。
まさかはぐれた? な訳ないよな。
怜悟がいれば大体の能力者が来ても撃退できそうだし。あ、でもばれたらまずいか。
「おや、君達は神威君に案内してもらってる——」
「あ、どうも」
翔が笑顔で挨拶をする。本当に礼儀正しいよな、ONの時は。
通りがかった初老の先生が、ポンと手を叩く。
「そうだ。神威君は知ってるかね? 少し言っておきたい事があるからね」
「ハァ。今はいませんが、何を伝えればいいのでしょう?」
先に行く全員にストップを呼び掛け、翔は先生に対応する。
すると、先生はニコニコとした笑みを浮かべながら答えた。
「実はね。神威君はサッカー部のマネージャーをしているのだが、マネージャーが今日から来れるというので大丈夫だと伝えたかったのだがね」
「ですが、銀さんは3日後に大切な試合を控えていると仰っていましたよ?」
「え、試合? 誰がそんな事を? 試合なんてないよ。マネージャーが怪我したから来週に持ち越してもらったけど?」
それが? と言って先生は首を傾げる。
ピタリと、みんなの動きが止まった。
おそらく銀ちゃんは騙されてたんだ。あの矢崎春馬に。あのくそ野郎に。
「おい、怜悟の所在は?」
「翔!! 間違えた、翔子さん!!」
ズダダダダダッと勢いよく怜悟が下りてきた。どこか焦ったような感じがする。
先生はそそくさとどこかに行ってしまった。
「銀が、銀が……!」
「どうした。はっきり言え」
息を切らせながらやってきた怜悟は、衝撃の事実を言う。
「銀が、矢崎につれて行かれた」
時が止まるかと思った。
みんなの動きが完全にストップしている。予測の事態だったからだ。
くそ、何で銀ちゃんから離れたんだ!!
「ふん。面白いじゃねぇか、くそ創造者め」
翔は面白そうににやりと笑うと、俺に命令を飛ばした。
「いいか。俺が戻ってくるまでに先生や生徒をここに通すなよ。力を使ってもいいが、ばれない程度にやれ。睦月、悠紀。お前らが中心となれ」
「「サーッ!!」」
翔はそういうと、どこかに消えて行った。