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Re: 黒影寮は今日もお祭り騒ぎです。ただいま祭り開催! ( No.281 )
日時: 2012/03/20 14:04
名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: GlvB0uzl)
参照: いつの間にやら1400突破ってすごくね?

第11章 王良家こんぷれっくす!


 バスを乗り継いでどこかの山奥。
 何か……幽霊とか出そうなんですけど。翔さんの実家もこんな感じですよね?!

「蛍が丘ー、蛍が丘ー」

 この蛍が丘っていうバス停で私達は降りました。
 急な坂道の途中にあるんですね、どこが丘ですか丘。

「林の向こうに夜になると蛍がいっぱいいるよ。あとで見に来ようか?」

「あ、いいですねそれ! 僕、蛍って見た事無いんですよ」

「……つかさ。お前ってどこで生きてきたの?」

 まだ見ぬ蛍に期待を膨らませるつかささん。一体どこで生きてきたのでしょう。
 天華さんの案内により、坂を上ります。
 荷物を持っているから重いですね……暑いですし。

「銀、持つ」

「れ、怜悟さん?!」

 怜悟さんが肩からかけていた荷物をひったくりました。当本人、息切れしていません。
 力があるからでしょうか……その行為に甘えるとしましょう。

「俺も持てたのに。重力操作できるのに」

「大丈夫ですよ、蒼空さん」

 後ろで蒼空さんがいじけたように小石を蹴りました。
 天華さんの歩みが止まりました。坂を上り切ったようです。

「ようこそ、王良家へ」

 天華さんの前にあったのは——大きな旧家の門でした。
 ……空華さん、一体何者ですか?!

***** ***** *****

 京都にこんな広い敷地があったなんて知らなかったです。庭、広すぎます。
 何か、翔さんの家よりも広いんじゃないでしょうか? 空華さんの家(モデル・サマー○ォーズの家)
 庭で数人の子供達が遊んでいます。誰かのお友達でしょうか、それとも近所の子供を招いているのでしょうか?

「おーい、炎華。姫華。水華。ただいまー」

 空華さんが庭先で遊んでいる子供達に声をかけました。
 すると、3人は一瞬で姿を消し——空華さんに飛び乗りました。

「ぐほぉ?!」

「「「お帰り空華兄ちゃんんんんんんんん!!」」」

 思い切り締め付けている赤い髪の男の子。中学生ぐらいでしょうか。栗色の髪の毛の女の子は小学生のようです。もう1人の紺色の髪の子も小学生でしょうか。
 空華さんは3人を引っぺがすと、家に入るように指示をしました。

「えー、だって空華兄ちゃんがせっかく帰ってきたのに。遊んでよー」

 赤い髪の男の子が口をとがらせます。

「あとで遊んでやるから。兄弟を友達に紹介しなきゃいけねぇしな。だから入って大人しく待ってろ」

「ふわーい、姫。水。行くぞー」

「待ってよ炎兄ちゃん」「えんにー」

 タタッと3人は家の中に入って行きました。

「……あれ、兄弟ですか?」

「俺様の家って大家族。全員それなりの能力を持ってるよ」

 あはは、と笑いながら空華さんは大きな玄関へ吸い込まれて行きました。
 皆さんで顔を見合わせ、私達も家の中に入ります。玄関がものすごい広いです。
 空華さんって、旧家の出身なのですね。

「あら。空華兄さんの友達?」

「ふわい!」

 金色の髪にヘッドフォンをかけた、グラマラスな人が玄関の前を通りました。翔さんは凍りつきました。
 その金髪の女の人は、私達を一瞥しますとスタスタとどこかへ行きました。

「何してるの? 上がっていいよ」

 空華さんがひょっこり顔を出しました。
 言われるがままについて行きますと、50畳以上はあるのではないかと思うぐらいに大きな和室に通されました。一体何をされるのでしょうか。
 空華さんは私達と対峙するように立ちますと、パンパンと手を叩きます。

「全員集合!」

 空華さんの号令1つで人が集まります。
 先ほどの金髪の女の子。天華さん。銀髪の女の子と男の子。赤い髪の男の子。栗色の髪の女の子。紺色の男の子。合計7人が集まりました。

「自己紹介をお願いします」

 空華さんが言いますと、天華さんから自己紹介が始まりました。

「次男の天華(テンカ)です」

 続いて金髪の女の子。

「長女の綺華(キラ)、15歳の中3よ。よろしく」

 そして銀髪の女の子と男の子。

「次女の日華(ニッカ)です。弟の三男、月華(ゲッカ)です。双子の中学2年生です」「ども」

 さらに赤い髪の男の子。

「四男の炎華(エンカ)だぜ! ちなみに小学6年な!」

 次に栗色の髪の女の子。

「三女の姫華(ヒメカ)! 小学4年生、よろしく!」

 最後に紺色の髪の男の子。

「すいかー。水にくうかにいの華で水華ー。しょーがくさんねんせー。よろしくー」

 ほぼ年子が多いんですけど。

「兄さんは自己紹介しなくてもいいんですか?」

「しとくの? 今更?」

「しといた方がいいでしょ、この際知ってもらいなさいよ」

 綺華さんと名乗った女の人が、空華さんに言います。
 空華さんは黒髪をぼりぼりと掻きますと、

「王良家第28代目当主、王良空華です。どうも」

 と、当主ですか?!