コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 黒影寮は今日もお祭り騒ぎです。オリキャラ募集!詳しくは本文へ ( No.32 )
- 日時: 2011/10/24 21:19
- 名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: GlvB0uzl)
- 参照: 行きます山下初のハーレム!!
第3章 銀と白亜と黒影寮。
初めて知りました。白亜さんがまさかの能力者さんだなんて。
えーと、この場合どうすればいいんでしょう? どう反応すればいいんでしょう?!
「ところで、神威さん。エプロンってどうやって作ればいいんすかね?」
「え?! あ、ハイ。まずは端っこをミシンで縫って——」
エプロンの布地をミシンにセットし、お裁縫スタートです。
と、思った矢先。
「……おい、ビッチ。誰だそいつ」
南極大陸よりも冷たい声が、食堂に響き渡りました。
白亜さんは気にせずミシンを動かしていますが、私の場合は息が止まりそうになりました。
「しょ、翔さん……」
「知らない女を入れるとは一体どういう了見だ? 殺されたいのか?」
翔さんは腕組みをして私を冷たい目で睨みつけてきました。
うぅ、この人怖いです。超怖いです。何でこの人、可愛い姿をしてるのにこんな鋭い睨みが出来るんですか!
白亜さんはミシンを止めて、翔さんの方へ目を向けました。
「あ、可愛い」
「誰が可愛いだコラァ!!」
翔さんはブチ切れて机をドンッと叩きました。ミシッと机が軋みました。
「いやぁ、可愛い姿をしてるなって思っただけっすよ。別に悪い意味はありません。あと、能力使うんなら使っていいっすよ。あたしも能力者なんで」
「ほう。まぁいい。ビッチ、そいつが不穏な動きをしやがったらそこらの奴に言え。ばらばらに分解して山に埋める」
「なんて事を!!」
私に言わないでください。ていうか、私がそんな事出来ないのを知ってるんですか?
思わずため息が出たところで、白亜さんが肩をたたきました。
「ドンマイ☆」
「その語尾に☆をつけないでください。腹が立ちます」
「ごめんごめん。でさ、ミシンが動かなくなっちった。どうしよ」
私はミシンの方に目を落としてみます。
白亜さんが動かしていたはずのミシンがピタリと止まっていました。よく見ると糸が絡まっています。
うわぁ、これは酷い絡まり具合ですね。私が直せるでしょうか。
「これは難しいですね……。とりあえず鋏を持ってこなくては」
「あれー。銀ちゃん、何してんの?」
突如、私の体にのしかかってくる体重。
あぁ、やはりあの人ですね!!
「空華さん止めてください! セクハラで訴えますよ?!」
「いやん、銀ちゃん怖いー」
空華さんは楽しそうにケタケタと笑いながら私から離れました。
「ところで、お困りのようですけど一体どうしたの?」
「ミシンに糸が絡まって動かなくなってしまったんです。なので鋏で一応切ってみようかと」
「ふーん。だったら俺様の苦無を使いなよ」
ほい、と平然と渡してくる空華さん。黒光りする苦無がやけに怖いです、リアルです。
私は首を振って返しました。私のような一般人が使えません。
「じゃあ俺様がやる?」
「ミシンを壊さないでくださいね」
「壊しちゃったら翔に直してもらえばいいって——あ痛! 翔、本を投げつけてくるの止めて!!」
どこからか飛んできた本に文句を言う空華さん。そしてミシンに近づくと、糸の絡まった個所に苦無を差し込みました。
器用に左右に滑らせると、プチッと音がして糸が切れました。布も動くようになりました。
「あ、動く。ありがとー、眼帯さん」
「どーいたしまして。お礼は銀ちゃんのキスがいいな☆」
「しませんよ」
「神威さんがするんじゃなくて、眼帯さんがしたらどうですかね」
「おぉ。それはナイスアイディア」
「白亜さん何を言ってるんです?! そして空華さん、実行に移してこないでくださいーっ!!」
白亜さんの言葉を受けて、実行に移そうとしたところで翔さんの炎が空華さんの頭に飛んできました。空華さんはギリギリでよけましたが、髪が少し焦げています。
見れば、何やら太い本を脇に抱えた翔さんが、ツンドラのような瞳を空華さんに向けて立っていました。
瞳は語っています。『何をしてるんだ変態忍者?』と。
「あ、あのー。ごめんちょ☆」
「死・ね」
とびきりの笑顔を浮かべたと思ったら、翔さんは鎌を振り上げて空華さんに襲い掛かりました。
触らぬ神になんとやら、です。