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Re: 黒影寮は今日もお祭り騒ぎです。俺ら戦争が乗っ取った! ( No.349 )
日時: 2012/05/02 22:16
名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: GlvB0uzl)
参照: 大ヒット御礼! 参照2000突破!

第13章 黒影寮の問題児が妖精を拾ったようです


 〜蒼空視点〜


 何で銀ちゃん達がこんなところまで来ているんだろう? まぁ別にいいか。
 どうせ3日したら帰る予定だし。
 俺は現在、昔通っていた宮園高校にやって来ていた。あ、読者の皆様はよく宮園『学園』と言いますが、あれを少し読み返してみたりすると高校なんだよねw
 あ、今更直そうとはしないけども!!

「にしても蒼空、あの銀髪の子。美人だったなー」

 博先輩がうっとりとした表情で言う。
 まぁ、銀ちゃんはイケメン集団の黒影寮が全員して惚れる女の子だからね。機転も利くし料理は上手いし優しいし美人さんだしスタイルいいし。
 完璧だね! 完璧美人とはまさにこの事だね!

「蒼空。いい加減考えろよ。出し物」

 理央がぶすくれた表情で言う。
 俺らは今、戦争について考えていた。3日後に大きな祭りがあるのだ。それに俺ら戦争組が出る事になったのだ。
 この話を聞いた時、俺は飛んで喜んだ。
 この祭りは錦海町では最大の祭りで、人もたくさん来る。戦争組にオファーが来たって事は、売り込める!(何に?)

「羽傘ちゃんを売るか」

「ハァ? 俺をどうするつもりだよ」

 番傘を突きつけて、羽傘ちゃんが言う。これで俺口調じゃなければ美人さんなんだけど。
 羽傘ちゃんは戦争組で数少ない戦闘タイプの女の子だ。言うならつかさと同じような感じだ。

「腕相撲で勝ったら賞品みたいな」

「賞品はどうするんだ?」

「輪ゴム?」

「賞品という単語を辞書で調べてこい」

 理央に国語辞典を投げつけられ、俺は目の前にお星様を輝かせる羽目になった。痛い。
 音緒はそれを見て、ため息をつく。

「蒼空って相変わらず馬鹿だよね」

「……サーセン」

「サーセンじゃないよ。黒影寮行って少しはましになったかと思ったけど、全然じゃん。だけど、こっちの方がやっぱりからみやすいよね」

「蒼空君は蒼空君ですよ」

 子海がいい事を言ってくれた。泣けてくるね!
 よし、ちょっと気分がいいから全員で町を回ろう。そうしたら戦争組の出し物も決まるかもしれない。

「合唱は?」

「このカオスメンバーでどうやれと?」

「デスヨネー」

***** ***** *****〜銀視点〜


 残念ながら、蒼空さんは見つかりません。どこに行ったのでしょう?
 蒼空さんに帰ってもらっては困ると、あの博さんは言っていました。どうしてでしょうか?

「全然ダメ。探知の術をかけてみても、誰かが妨害しているみたい。探知できない」

 空華さんは舌打ちしました。空華さんでもダメですか。
 翔さんも生命数が見えないと言っていました。手段は断たれました。

「どうする? このまま諦める?」

「いえ、諦めません。鈴! 天音さんを呼んでください!」

「私にご用事ですか〜?」

 鈴の命令により、天音さんが鏡から出てきました。この神様はヴァルティアさんやディレッサさんと違い、何でもできるんです。
 天音さんに蒼空さんを探してほしいと頼むと、

「いいですけど〜。それよりももっといい人がいますよ〜? 知らない土地でも、ばっちり把握できる案内人が〜」

「鈴はそんな人を調伏できたんですか?」

「地獄に行った時あったじゃないですか〜。あれでついてきたって言う感じですね〜」

 ではその人を出してもらいましょう。
 鈴に頼むと、その人は天音さんの隣に並びました。首の真ん中まである金髪に着崩したスーツ。案外美人さんです。

「やっほー、案内人の上川純です。ジュン☆ジュンと呼んでね」

「冗談だろ」

 すっぱりと翔さんが切り捨てました。
 純さんでしたか。

「それよりも、こうしてみんなと会えて嬉しいわー。さて、何から案内しようか?」

「案内と言うより、人探しなんです」

「人探しー。おっけーおっけー任せて。ところで」

 純さんはどこか遠くを指差しました。
 1本道です。少し遠くから人が歩いてきます。どうやら警察官の人です。

「あの人、結構厄介な能力持ちですね〜」

「氷を操る能力と力を探知する能力——なるほど、黒影寮の力を探知してきたか」

 純さんと天音さんは2人で手を叩きます。って、そんなのんきな事を言っている場合ですか?!

「おい、貴様。銀の鈴だな」

「何でそれを知っているんだ」

 翔さんが警察の方を睨みつけます。
 警察の方はフンと鼻を鳴らすと、

「私は能力を知る事ができるのだ。さっさとそいつを渡してもらおう——いや、正確には協力してもらおうだな」

「? 何を協力すれば?」

「私は悪が許せん。目の上のたんこぶ——とも言えるべき存在、戦争組が許せんのだ」

 戦争組。一体何の事でしょうか。
 博さんが言っていた、俺ら戦争と関係があるのでしょうか?

「私は戦争組を1人残らず捕まえてやる。あの不思議な力で幾度となく負けた。だが銀の鈴に協力してもらえれば、奴らの居場所がはっきりするかもしれん」

「その戦争組とやらは、一体誰がいる? 銀だけじゃ不安だから、俺らも協力してやってもいい」

 警察の方にもかかわらず、上から目線で言う翔さん。
 警察帽子をかぶりなおした警察の方は、

「二条蒼空。こいつが戦争組のリーダーを務めているのだ」

 その名前を聞いて驚愕しました。
 まさか、蒼空さんがそんなに悪い事を?!


「へぇ? 俺を探してくれるなんて、俺って人気者?」


 その時です。
 空から人が降りてきました。その顔を見て、警察の方は顔を強張らせました。

「そ、蒼空さん?」

「二条蒼空……ッ!!」

 蒼空さんは笑いました。

「探してくれてどうもありがとう。だけど、俺らはもう行かなきゃならねぇからさ! リデル!」

「わかったのー!」

 肩に乗ったリデルと呼ばれた妖精さんが、空に向かって指を向けます。そこへ向かって蒼空さんは飛びました。
 すると、いつの間にか私達は大量の人達に担ぎあげられていました。
 さっき見た銀髪の人もいます。

「羽傘ちゃん、任せたよ! 嵐先輩はその警察を足止めしておいて!」

「警察に手を上げるのは気が引けるが……俺らを目の上のたんこぶと言う奴らは、回路を焼き切る必要があるな」

 そんな事を言いながら、1人が警察の方に向かって雷撃を放ちました。
 間一髪でよけた警察の方は、蒼空さん達に叫び声をぶつけました。

「おのれ、戦争組ィィィィィィイイイイイ!!」