コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 黒影寮は今日もお祭り騒ぎです。俺ら戦争が乗っ取った! ( No.379 )
- 日時: 2012/06/11 22:15
- 名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: GlvB0uzl)
第14章 もし黒影寮の管理人代理が町の草野球大会の広告を見たら
さて、ここではポジション決めをしましょうという事で。
零さんと白刃お兄ちゃんが筆頭となって黒影寮のポジションを決めています。
「センターポジションは空華かな。レフトはつかさで、ライトは睦月ってとこだろ」
零さんはてきぱきと決めて行きます。
空華さんはセンターをやっていたという事で、センターに決まりました。レフトのつかささんはナイフ投げでコントロールを鍛えられているからでしょう。睦月さんは物質転送がありますからね。
そこで白刃お兄ちゃんが言いました。
「でもさぁ、まずはキャッチャーとピッチャーじゃない?」
「そーか。誰か投げられる奴はいるか?」
受け止めるのは怜悟がいいと、零さんの判断で決まりました。
怜悟さんはミットを構えてボールを待ちかまえます。
「ここは蒼空じゃない? 最近では妖精もついてきたし。何だっけ名前」
「リデルなのー!」
蒼空さんの肩から、リデルさんが抗議の声を上げます。両腕を目いっぱい上に伸ばしています。
零さんは蒼空さんにミットとボールを渡して、投げるように言いました。
「そ——いやっ!!」
変な掛け声と共に、蒼空さんは振りかぶって投げます。
ズバッとミットに収まりました。さすがです。
「130キロなの」
肩からリデルさんが速さを測定します。メジャー級ですね、多分。
怜悟さんはミットからボールを取って蒼空さんに投げ返しました。
「やっぱりここは翔がやった方がいいんじゃねぇの?」
蒼空さんはミットとボールを翔さんへ渡します。
翔さんはきょとんとした様子でそれを受け取り、とりあえず手にはめます。そして助けを求めるように昴さんへ視線を送りました。
「とにかく全力で投げてみて」
「分かった」
翔さんはコクリと頷きますと、振りかぶって投げます。
ズバンッと音がして、ミットに収まりました。ナイスコントロールです。
「170キロなの」
蒼空さんを遥かに超えました。さすがです。
「こんなものか?」
「いや、まだだな」
白刃お兄ちゃんが言います。何ですと?
白刃お兄ちゃんは首を振りました。
「ちょっと小耳にはさんだんだけど、相手は『リヴァイアサン』も出てくるんだよ? 多分ピッチャーには夢折梨央を使ってくると思う」
あの、夢折梨央さんって……狙撃者を持っているライフル持ったトマトジュースの?
白刃お兄ちゃんが言うには、狙撃者(スナイパー)はコントロールがよくなくてはいけないらしいです。なのでどんなに遠く離れていても、かなりのスピードで投げてこれるそうです。
梨央さんってすごいんですね……今更思いました。
「さすがにライフルを使ってくるとは思わないんだけど、狙撃者は重宝するよね」
白刃お兄ちゃんは悩んだように言いました。
その時です。
未だにミットを構えたまましゃがみ込んでいた怜悟さんの手の中に、白球が現れました。風を切ってボールはミットに収まります。
ズバァァァァァァァアンッッッッ!! と音がしました。怜悟さんは少し後ろに下がります。
「……何?」
怜悟さん自身も驚いているようです。
「リデル。あの速度は測定できる?」
「2500キロなのー」
何ですかそれ?!! 音速超えてますよ?
「あ、それ俺様だわ。ごめん怜悟ー」
空華さんがひょこひょこ近づいて、ボールを回収しました。
……空華さんが投げたんですか? 怜悟さんとは結構距離があったと思うんですけど。まさか睦月さんの物質転送で?!
翔さんが空華さんの肩を掴みます。
「テメェ、もう1度投げてみろ」
「ここから? 別にいいけど。怜悟の腕が壊れるから、チェンジしてくれない? 蓮ー。筋肉だけ狼男にしてさ、キャッチャーやってよ」
「別にいいけどよー」
遠くで悠紀さんとキャッチボールをしていた蓮さんは、空華さんのかなり遠くでミットを構えました。おそらく筋肉は狼男に匹敵しているでしょう。
空華さんは大きく振りかぶって投げました。
ズバァァァァァァァァァァンッッッッ!! というすごい音を立てて、ボールがミットに収まりました。見えませんでした。
「2650キロなのー」
中途半端な数字ですが、それでもすごいです。
一体空華さんは何者なんですか?!
「あぁいや、俺様は狙撃者を持っているからね? 色々とできないと、王良家当主は務まりませんから」
1秒で空華さんがピッチャーになり、キャッチャーとして蓮さんがなりました。
怜悟さんはファースト。翔さんがセカンド。昴さんがセンター。蒼空さんがサードになりました。
それで、悠紀さんはと言うと——
「あ、全員頑張れー」
……ベンチでした。