コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: 黒影寮は今日もお祭り騒ぎです。俺ら戦争が乗っ取った! ( No.386 )
日時: 2012/06/25 22:11
名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: GlvB0uzl)
参照: テスト期間なんて死ねばいい

第14章 もし黒影寮の管理人代理が町の草野球大会の広告を見たら


 さて、野球大会が再開されました。
 睦月さんは魔球を用いて白亜さんを打ち破ります。が、次はそうはいきません。
 何と、4番バッターは羅さんです!

「げ。お前か」

「げ、とはこちらの台詞だ。このイケメン」

 羅さんのイケメン、久々に聞いた感じがします。どうしてでしょう。
 きっと、出番のせいですね(←ゴメン
 睦月さんは舌打ち交じりに言葉を吐き捨てます。

「お前が相手やと、何だか本気でやりたくなるわ!!」

「来い!」

 バットを構える羅さん。
 睦月さんは大きく振りかぶって投げました。そして瞬時に物質転送をかけます。
 ポスン、と間抜けな音がして蓮さんのミットに収まりました。

「ボール」

 これは見送ったようです。
 睦月さんはにやりと笑い、次は割と本気で投げました。
 羅さんはボールを睨みつけ、そしてバットを振ります。ですが、そこでボールが落ちました。カクッと90度。
 ……フォークボール?

「ストライク!」

 睦月さんの親指が立っています。あ、遠隔念動力(テレキシス)を使いましたね。
 別に構いませんけど、審判さんにどやされますよ?

「まだまだ!」

「もう1回やったるわ!!」

 そして結果、羅さんは見事睦月さんの超能力を打ち破り、ヒットを叩きだしましたが。

「ハイ、アウト」

 昴さんの俊足により、タッチアウトとなりました。
 それがあまりにも嫌だったのか、羅さんは地に膝をついて(こんな感じorz)吐いていました。そこまで男性が嫌いですか!!
 白亜さんはそれを見て、舌打ちをします。

「ずるいですね。超能力者を投入してくるなんて。こっちだって洗脳は使っていないッスよ?」

「使っていない、じゃなくて使えないんでしょ?」

 味方のベンチから白刃お兄ちゃんが抗議します。
 今、羅さんと白亜さん、そしてその他敵の能力は全て封じさせてもらっています。空華さんの手によって。
 空華さんはセンターポジションからにやにやした視線で、羅さんを見ていました。
 その視線に気づいた羅さんは、空華さんに親指を下に向けて答えを返します。ファックですか。

「残念だけど、ここは負ける以外に他ないよね?」

「どうしてそこまでして勝たせようとしてくれないんですか?」

 白亜さんは監督である零さんとお兄ちゃんを睨みつけました。
 零さんとお兄ちゃんは、声をそろえて答えます。

「「だって、同性に妹を(銀ちゃんを)渡すはずがないじゃない」」

 お兄ちゃんは鏡を、零さんは拳を握りました。笑顔で。
 あれ、私って大事にされているんでしょうか。何ででしょう、少し嬉しいような突っ込みたいような。

「それは羅さんに行ってくださいス」

「えー、だってねぇ?」

 お兄ちゃんは鏡に手をかざし、にやにやした様子で、

「『神威さんにメイド服姿でご奉仕してもらいたいな』とか思っていたり?」

「するッス!」

「自信満々に答えないでください! 黒影寮の皆さん、意地でも勝ってください!」

 でないと私の貞操が!

「安心しなよ、銀ちゃん」

 空華さんが笑います。次のバッターは空華さんからでしたね。
 金属バットを肩に担ぎ、ボックスへ向かう空華さん。そして蒼穹の彼方へと、バットを突きつけました。
 よ、予告ホームランですか?!

「————よ、い、しょっ!!」

 女の子がソフトボールの如く投げたボールは、見事に空華さんの振ったバットに当たります。
 キィン、と甲高い音がして空へとボールが飛んで行きました。
 きれいなホームランです。


 7対6で、僅差で勝ちました。