コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 黒影寮は今日もお祭り騒ぎです。オリキャラ募集!詳しくは本文へ ( No.39 )
- 日時: 2011/10/28 21:35
- 名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: GlvB0uzl)
- 参照: なんやかんやで参照が100を突破。すげ。
第4章 兄より吐き気。
轟白亜さんが来てから次の日です。
今日は特に何もやる事はありません。いつも通りの家事をこなせば後は自由です。
さて、何をしましょうか?
と、そこへ、インターフォンが鳴り響きました。お客様です。
宅配便の方でしょうか?
「はいはい。ただいま」
私は返事をして玄関のドアを開けました。
見慣れた顔がありました。
「やぁ、いも——」
「人違いです」
ぴしゃりとその見慣れた顔の男性に言い放ち、私はドアを閉めました。
何故ですか。何故あの人が黒影寮に来てるんですか。何故あの人がここにいる事を知ってるんですか。
私の中でそんな言葉がぐるぐると渦巻いている中、未だにインターフォンは鳴り響きます。
「……おい、ビッチ」
インターフォンがうるさく思ったのでしょう。翔さんが低い声で私に尋ねました。
ハイ。ビッチじゃないんですけどね? 誰がビッチなんですか。
「だからそう呼ぶのは止めてください。何ですか?」
「客を食堂へ通せ。うるさい」
「絶対に嫌です」
というか入れたくありません。
翔さんは何らかの事情を読みとったのか、ため息をついて私に「どけ」と命令しました。
私は翔さんから距離を取るようにして離れます。
「うるせぇな。誰だ」
翔さんはやくざさんもびっくりの低い声を出しながら、玄関のドアを開けました。
私が見慣れた顔の男性——私と同じ銀髪で紺色の切れ長の瞳。服装はラフな黒いTシャツにベストを羽織り、ジーンズという格好です。
「やぁ。君は——東翔君だね。炎の死神の」
「……敵か」
翔さんは早速警戒しました。男性から距離を取るようにして後ろへ飛び退くと、手から赤い鎌を出現させます。
一瞬にして死神スタイルとなった翔さんは、鎌の刃を男性へ向けました。
「んー? 僕を警戒してるのかな?」
「当たり前だろ」
「怪しいものじゃないんだけど。だって自分で名乗ったじゃない。『炎の死神の力を使って吹っ飛ばしてやろうかな』って。炎の死神って言ったら君しかいないからね。今のところ」
男性はすらすらと、まるで探偵が推理をするように述べました。
その説明を聞いてさらに警戒心を増した翔さんは、くるりと身を反転させて大声で呼びかける。
「敵襲だ! 全員戦闘態勢に入れ!!」
「「「「「了解!!」」」」」
いつの間にやってきたのでしょう。全員が戦闘態勢に入りました。
ま、まずいです。止めた方がいいのでしょうか?
「えー? 何でみんなして攻撃しようとしてくる訳? 別に僕、戦いに来た訳じゃないしー」
「じゃあ何で、俺の事を知っていた?」
「簡単簡単。心理が読めるからさ。君の心の中もスッカスカだよ? だけど、そこの子だけは僕の力は効かないようだけど」
男性は私の方を指しました。それに合わせて全員が私に注目します。
私はため息をつき、男性に言いました。
「白刃お兄ちゃん、何しに来たんですか?」
「それは決まってるでしょ。カナダからせっかく帰ってきたって言うのに妹もお袋もいないんだし。お袋に訊いたらここに管理人代理でいるって言ってたし。癒されにね?」
「癒されにね? じゃありませんよ!! 何だと思ってるんです? 妹を!」
「えーと……癒し。もしくは変態の素」
「お馬鹿!!」
私は思わず叫びました。
この男性——神威白刃は正真正銘の私と血縁関係にあるお兄ちゃんです。