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Re: 黒影寮は今日もお祭り騒ぎです。7月7日は神威銀の誕生日! ( No.390 )
日時: 2012/07/09 23:38
名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: GlvB0uzl)

第14章 もし黒影寮の管理人代理が町の草野球大会の広告を見たら


 ここで山下愁よりネタ小説の提供です。
 実は今回の野球大会は、様々なスポーツをする予定でした。当初はそんな感じなのです。
 私、神威銀がお送りさせてもらいますが、黒影寮の皆さんがガチでスポーツを始めちゃうとこんな感じになってしまいます。

 ケース1 バスケ

「パスパスー。シュートッッ! って、あれ? ボールないんだけど」(昴)

「おい、昴。勢いつけすぎで天井を突き抜けて行ったぞ。いくらブザービートを決めようとしても、野球じゃねぇし」(翔)

 ケース2 サッカー

「食らえ必殺黄金の右足シュート!」(蒼空)

「……蒼空、重力操作を反射でした?」(悠紀)

「え? うん。しちゃった」

「ボールが破裂したし、グラウンドにクレーターができたんだけど?」

 ケース3 ドッヂボール

「……おい、空華。テメェ俺にボールを当てるなんていい度胸をしているじゃねぇか」(翔)

「あれ? ごめん当たった? いやぁ、余裕面をかましているのが妙にムカついてさぁ」(空華)

「上等だ! 仲間割れだろうがなんだろうが知ったこっちゃねぇ! 敵! こいつにボールをぶつけろ!」

「させるか! 俺様の反射神経を舐めるなよ!」(その後乱闘)

 みたいな感じになる事必須なので、山下愁は一生懸命考えて考えて考え抜いて野球にしたそうですよ?
 そして、今はお昼ごはんの時間です。野球大会は午前と午後に分かれて行われる予定です。
 外は暑いので皆さん体力を消耗しているみたいなので、重箱に大量にそうめんをゆでましてそこに氷を突っ込んできたという簡単な麺類のご飯でごめんなさい。麺つゆは別の大きな水筒に大量に持ってきましたので大丈夫です。

「本当、気が利く子だよ……!」

 昴さんが泣きながらそうめんをすすっていました。まずかったのでしょうか?
 というか、よく見てみると皆さん泣いてません? え、あの、まずかったのでしょうか?!

「あ、うらやましいかもー。この暑い中でそうめんなんて食べれるなんてよくやるねー」

「むぐ。ほはえはふへほりりほ(お前は夢折梨央)」

 空華さんがむぐむぐと口から白い滝を流しながら、やってきたスカイブルーの髪と瞳を持つ狙撃者の人の名前を口にしました。
 夢折梨央さん。秘密結社『リヴァイアサン』の構成員の方です。

「何の用だ。試合前から銀を狙いに来たのか?」

 翔さんが死神ルックになり、睨みつけてきます。
 梨央さんは「違うよ」と言いました。

「あのね、俺ら『リヴァイアサン』は一応副業でやっているんだよ? 本業は別の。『リヴァイアサン』はただのボランティアみたいなので参加しているんだから。つーか、ボランティア事態に給料なんか発生しないから正直神威銀をそこまで執着する意味が分からなくなっている」

 現実味のある話をいただきました。
 梨央さんは呆れたように言います。

「社員寮もないしさー。だから食いぶちは自分で稼がなきゃいけない訳。本業の方の仕事を片付けていた訳よ。君ら他人事のようにそうめん食べているけどね」

「本業って何だよ?」

 空華さんが問いかけます。口にあったそうめんは全て喉の奥に流し込んだようです。
 え、と梨央さんはきょとんとした様子で言いました。

「神威涙の護衛? ほら、知っているでしょ。未来に行って、神威銀が女王様として間違えられた場面」

 あぁ、あれですね。
 詳しくは劇場版をチェックしてください。
 って、涙さんの護衛をしているんですか?! 梨央さんの出自を知りたいです!

「んー? 俺は未来人だよ? 神威涙がいる世界からタイムスリップでやってきたの」

「バタフライエフェクトとかそんなのはどうでもいいのか?」

「俺は関係ないの。俺がやっている仕事は、未来も過去も飛び越える殺し屋さんなんだから。神威涙のお抱えのねぇ。ま、簡単に言っちゃうとタイムスリッパーですよタイムスリッパー。バタフライなんちゃらは、上司がもみ消してくれるし」

 そこら辺すごくないですか? まさにパーフェクトじゃないですか。
 でも、神威涙さんのお抱え殺し屋さんなので簡単に人は殺さないのだとか。この未来を危うくさせる人物を消去すると言うのがお仕事らしいです。
 あれ? 私って『リヴァイアサン』に狙われていますよね?

「んー、その事なんだけど。俺は正直、トップの言う事を聞いているだけなんだよね。殺すんじゃなくて拉致の方。涙様の先祖なんだから正直心が痛くてたまらないよ?」

「本音は?」

「心は痛くなるけど、やらないと未来に帰れなくなる」

 ガタガタと震えだす梨央さん。

「約束があるんだよ。この仕事をやってください。さもなくば、貴方を未来に返しません——ってな。仕事はやるよ。だから今のところ未来にも帰れる。だけど、遂行できなかった場合はこの力を取りあげられるってな」

「ねぇ、大変やな。そうめん食べるか?」

 それを憐れんだ睦月さんが、自分の食べていたそうめんを差し出します。
 半泣きでそれをすする梨央さん。何だか、本当に、可哀想になってきました。

「あの、よろしければ『リヴァイアサン』の皆さんもご飯どうですか?」

「んー? あぁ、いいよいいよ。あいつら食わなくても生きていけるから。そうめん美味ー」

 もう1つお椀を取り出して麺つゆを注ぎます。敵も敵で大変なんですね。
 今度、夕飯を差し入れしたらどうでしょうか?
 いえ、決して餌付けではないですよ?

「餌付けじゃん」

「餌付けじゃないです」

 鏡の中から鈴が抗議してきましたが、断じてこれは餌付けじゃないです!



 そして、『リヴァイアサン』と黒影寮の皆さんで野球大会が始まりました。