コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 黒影寮は今日もお祭り騒ぎです。7月7日は神威銀の誕生日! ( No.402 )
- 日時: 2012/07/30 22:34
- 名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: GlvB0uzl)
第14章 もし黒影寮の管理人代理が町の草野球大会の広告を見たら
それからまぁ、私達は見事に優勝しました。お米1カ月分手に入れましたーっ!
で、対する『リヴァイアサン』の方なんですけど……
「くっそ……負けちまったよ。飯抜きじゃん……」
「そうですねぇ……。しばらく水ですか。美桜、しばらくは札の中にいてください」
「うん。調伏されたら困るからね」
あーぁ、何か青いオーラみたいなのが見えますよ? 怖いです怖いです。テンションがどん底です。
確かにお米1カ月分手に入れましたし、『リヴァイアサン』の皆さんは意図的に私を狙っている訳でもないし……どうしましょう。
黒影寮の皆さんは帰ろうとしています。あ、敵の皆さんは放っておくという形ですか。そうですか。
すみません。私はそんな薄情な真似はできません。
「『リヴァイアサン』の皆さん」
私が声をかけますと、地面でうなだれていた『リヴァイアサン』の皆さんが顔を上げました。
にっこりと警戒心を解くような笑みで、
「よろしければ、ご飯を食べに来ませんか?」
「「「「「え?」」」」」
「「「「「ハァ?!!」」」」」
あら、黒影寮の皆さんも聞いていましたか。
ですが事実です。私はきちんと「ご飯を食べに来ませんか?」と言いました。別にご飯で釣ろうって思っていませんよ?
「……どういう風の吹きまわし?」
美桜さんがぎろりと睨みつけてきます。怖いです、琥珀色の瞳が怖いです。
「いえ、ご飯の事で貧窮しているようでしたので。力になれればと思いまして」
「それならさっさと連行されちゃえばいいのに。そしたら俺らも仕事が終わって家に帰れるんだよ?」
梨央さんが恨めしそうな声で言います。
いえ、それは嫌です。私は誰が何と言おうと、黒影寮から出て行きません。離れる事もないです。嫌です。
「…………本気で、そう言ってくれているのであれば」
今まで無言を決め込んでいたリネさんが、私の両手を取って言いました。
「あなたは、神です!!」
「「「「神様万歳!!」」」」
えぇ?! 何かすごい事になってますけど。ご飯だけであっさり懐柔ですか?!
すると、翔さん(怪我から立ち直った)がペイッと『リヴァイアサン』を1人1人引き離して行きます。乱暴ではありませんか?
「テメェらいいか。神威銀は俺らのもんだ。誰が許可した」
「翔さん」
いくらなんでも、それは酷いです。
私は鈴に言って、紫月さんとアカツキさんを召喚しました。どうしてこの2人を召喚したかって? 決まっているじゃないですか。この2人は翔さんが大好きなんですから。
召喚されたとたん、紫月さんとアカツキさんは翔さんに飛びつきました。悲鳴は聞こえなかった事にします。
「昨日の敵は今日の友です。そう考えれば、『リヴァイアサン』の皆さんと仲よくできるのではありませんか?」
「好きで仲よくしたくないけどね……」
舌打ち交じりに言う悠紀さん。この人はどうしましょうか? トビラさんでも召喚します? 夢の世界に閉じ込めます??
あ、お兄ちゃんが心の声をそのままそっくり悠紀さんに伝えました。顔を青ざめさせて「何でもないです」と言いました。
「……いいじゃありませんか。困っている人を助けるのが黒影寮の皆さんでしょう?」
「……そうだけどさぁ」
翔さんが2人に絡まれて「止めろーっ!」と連呼しているのを横目に、昴さんが唇をとがらせます。
「そいつらが銀ちゃんを連れて行こうと考えたりするところとか、思わないの?」
「え、思いますよ? 何を言っているんですか?」
キョトンとした様子で答えます。当然じゃないですか。『リヴァイアサン』ですよ? 今まで私の身柄を狙ってきた人達ですよ?
ですが、
「でも、皆さんが守ってくれるんじゃないんですか?」
「……え?」
だって皆さんは、私を守ってくれる騎士ではないのですか? そう思っていたのは私だけですか?
そう言いますと、皆さんはうなり始めました。
「んー……ま、俺様はいいと思うけど。いざとなったら迎撃するし。こっちの目も使っちゃうよ?」
空華さんは飄々と笑いながら、眼帯をした右目をなぞりました。あ、呪われた瞳。
黒影寮の皆さんも、しぶしぶといった感じで承諾しました。あ、翔さんは強制です。何があっても否定しそうなので、この際もう強制的に許可させます。
え、どう許可させるかって?
決まっているじゃないですか。
「ルテオさん。いらっしゃいますか」
「はい〜?」
間延びした声が鏡の中から聞こえてきました。えぇ、決まっていますよ。
「ちょっと神様に伝言を頼めますか? ——今ここに琳さんと美羽さんを呼んでくださいと」
「ま、待て! 分かった承諾する! だからそいつらを呼ぶのを止めろーっ!」
ほら、簡単ですよね?
そう言う訳で、今日は『リヴァイアサン』の皆さんと一緒にご飯です!
翔が脅されているところを見た黒影寮&『リヴァイアサン』&鈴&神天使悪魔鬼。
「「「「「銀、怖いわぁ……」」」」」