コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 黒影寮は今日もお祭り騒ぎです。オリキャラ募集!詳しくは本文へ ( No.51 )
- 日時: 2011/11/02 21:42
- 名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: GlvB0uzl)
- 参照: なんやかんやで参照が100を突破。すげ。
第5章 しにがみのデート。
「じゃあ神威さん、また明日学校でー」
「銀ちゃん。あのイケメンどもが襲いかかってきたら真っ先に電話してよー!!」
「白亜さん、羅さん。また明日です!」
今日も大変な学校生活が終わりました。
あれから羅さんが、男の子が近づいてくるたびに制服を分解して素っ裸にさせちゃうという大事件を引き起こしました。今日だけで犠牲者が15人です。
何で私に用事があるんでしょうかね? レモンの蜂蜜漬けならいくらでも作りますけど。
今度、マネージャーさん達を全員集めて作り方をお教えした方がいいのでしょうか?
「あれ?」
私は意外な人を見かけました。
黒いニット帽に黒い髪。髪ひもで左下に結い、ふらふらと本を読んで歩いている人です。
黒影寮の寮長、翔さんです。
「翔さん、どうされましたか?」
私は声をかけました。
ですが、翔さんは気づきません。そのままスタスタと寮の反対方向へ歩いて行ってしまいます。
「あ、翔さん! 危ないです! ちょっと聞いてるんですか?!」
本に集中してるせいか、翔さんの前には電柱が。
これは危ないです。管理人として住民の怪我は見過ごせません。
「危ないですーっ!!」
「うぉっ?!」
翔さんを押し倒し、何とか電柱からそらせる事に成功しました。
ですが、そのまま私と翔さんは一緒に倒れる事に——。成功なのか失敗なのか分かりません。
「テメェ……。大した度胸じゃねぇか?」
「うわわわわ! すすすすみません! 本当に! って、翔さんも悪いんですよ! 歩きながら本を読まないでください! 電柱にぶつかりそうになったんですよ?」
翔さんに睨まれましたが、負けじと言い返します。
さすがに翔さんは言い返せなくなったのか、唇を尖らせて地面に落ちていた本を拾い上げました。
「ほら、テメェも立て」
「え、あ、ハイ」
翔さんに手を借りて私は立ち上がりました。
制服の埃を適当に払い、これでオーケーです!
「おいテメェ。膝、流血してんぞ」
「へ? あ、本当ですね。大丈夫です。絆創膏持ってるんで!」
携帯救急セットを鞄から出そうとしましたが、翔さんがしゃがみこんで何かをしました。
私の膝から流れる血を見て、そっと手をかざします。そして小さくつぶやきました。
「彼のものの傷を癒せ。煉獄の炎」
温かな炎が私の傷を包み込みました。
炎が消えた時には、もうすでに私の膝からは傷がなくなっていました。不思議です。
「こんなもんだろ。ビッチ、歩けるか?」
「あ、ハイ。ばっちりです」
「痛みは?」
「ありません」
証拠としてその場で少し飛んでみます。転ぶ前の状態となんら変わりません。
翔さんはその様子を見ると、満足そうに頷きました。
「そうだ、ビッチ。その傷を治してやったんだ。少し付き合え」
「ほぇ? どこにですか?」
翔さんはまた寮とは反対方向へ歩き始めます。
私の質問には答えてくれる気配はありませんでした。