コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 黒影寮は今日もお祭り騒ぎです。連載1周年突破! ( No.513 )
- 日時: 2013/09/09 23:55
- 名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: kcj49vWg)
もしも神威銀が本物のビッチだったら(VS東翔)
神威銀という少女について説明しようと思う。
神威銀は、見かけは純情そうな少女である。透き通るような銀色の髪に、黒曜石の如く輝く瞳。整った顔立ちは人形のよう。スタイルも申し分なし。もちろん、男性にはモテにモテる。
おっとりした性格であり、家事を得意とする少女である。料理が絶品で、彼女が作った料理が食べたいと男子生徒からではなく女子生徒からも希望が来るほどだ。
彼女は近くにある英学園の特別クラスが所属する寮——通称『黒影寮』の管理人代理を務めていた。
男だらけであるが、彼女の家事スキルをいかんなく発揮し、また彼女自身も不思議な力を持っていた為、黒影寮に溶け込んでいったのだった。
しかし、黒影寮の奴らは知らない。
彼女の本当の性格など、知らないのだ。
堂本睦月は超能力者であるが、彼女の心まで読む事はできない。
王良空華は我流忍者であるが、彼女の心を感じ取る事はできない。
東翔は炎の死神であるが、彼女の心をさらう事はできない。
本当の彼女を知った時、彼らの反応はいかがなものだろうか————?
***** ***** *****
東翔は炎の死神である。
ただの炎の死神であるかと言えば、そうではない。本気を出せば、地球を一瞬で炎の海にできるほどの力を有する死神である。
「……ん?」
黒影寮の食堂へ足を踏み入れた翔が見たものは、机にうつ伏せで寝ている神威銀の姿だった。
携帯を片手にピクリとも動かない。
いや、普段から管理人の仕事を1人でこなしているのだから、疲れているのだろう。翔はそう自己完結をした。このまま寝かせておいた方がいいかもしれない。
そうだ、せめて何かタオルケットでもかけてやろう。静かに食堂をあとにして、自室からタオルケットを持ってくる。
今は夜だ。他の住人は、それぞれの部屋で過ごしている。空華は呪いの研究をして、昴は蒼空と睦月の部屋でゲームに興じている。悠紀は最近、銀の従兄である神楽伊月と仲よくなったと聞いていた。怜悟は幽霊と話している頃だし、リネはつかさと共に風呂だ。
そして自分もこれから仕事である。今日は6件の回収作業がある。銀にタオルケットをかぶせて、さっさと仕事へ行こうとした時だ。
「……しょ、さん……」
パシ、と。銀が翔の手を握った。
ピキリと翔の体が固まったのは言うまでもない。ここで重要な事を特筆しておくと、翔は女が大嫌いな訳である。「ビッチ!!」と叫んで逃げたくなるのだ。
しかし、銀は違う。なんというか、その、うん。好きな女に触られて、ドキリとしない男などいないだろう。
とろりととろけた瞳をこちらに向け、銀はコテンと首を傾げた。
「……ん、これからお仕事ですかぁ?」
「あ、あぁ……。眠いなら部屋行け。もう寝ろ」
「……ん、でも」
ドンッと銀は翔を押し倒した。
不意の出来事だったので、床に倒れてしまった翔は、何事かと銀を睨みつける。
タオルケットを肩にかけて、銀は倒れた翔の上に覆いかぶさった。銀色の髪が鼻をかすめ、くしゃみを誘発する。銀色の滝の向こうに見えた銀の表情は、どこかとろけたような感じだった。
「フフ……翔さん、だまされちゃいましたねー?」
からかうような声。
銀はくすくすと楽しそうに笑み、翔の唇を白魚のような指先で撫でる。いつくしむように——そして、艶やかに。
「……誰か引っかかってくれるかなって思っていましたけど、案外女の子が嫌いな翔さんが引っかかってしまうんですねぇ……?」
「お、おい……?」
翔は動揺している。明らかに動揺している。もう自分でも分かっていた。
何故かって? 何でこんな銀がエロいんだよ。おかしいだろ。もはやR−18でも付けなきゃいけな——何でもないです。
艶のある笑みを浮かべた銀は、指先で翔の頬をゆるりと撫でた。
「……夢魔の仕業じゃないですよ、これが本当の私です。こんなにカッコいい男の子たちと1つ屋根の下で住んでいるのに、ドキドキしない女の子なんていませんよ……?」
こんな、まさか。
艶の含んだ瞳を自分に向けてくる銀。翔はあり得ないものを見るかのような瞳を、銀に向けていた。
途端、翔は銀を突き飛ばした。好きな女だから? 知るか。今はその、心の準備というものができていない。できていないのだ。
「……! 破廉恥だッ!!」
「ふぁっ!?」
「破廉恥だッッ!! お、女は貞淑であれ!!」
自分でも訳分からん台詞を叫んで、黒影寮から飛び出した。
だって、健全な男子高校生だもの。好きな女のあんな姿を見て、正常でいられる奴はゲイだ。
と言う訳で、結果。
まぁ赤面してどこかに飛び出すという訳ですね多分wwwww
で、これ書いてて気づいた……
なんかアウトラインぎりぎりだわ、すみません…(´・ω・`)
修正は携帯からでした。