コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: 黒影寮は今日もお祭り騒ぎです。オリキャラ募集!詳しくは本文へ ( No.54 )
日時: 2011/11/08 21:50
名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: GlvB0uzl)
参照: 山下愁は馬鹿作者!!

第5章 しにがみのデート。


 とりあえず、カレーの材料はゲットしました。翔さんも手伝ってくれたのでいつものようにたくさん持たないで済みます。
 普段は羅さんに付き合ってもらって買い物を済ませているのですが、今日は翔さんがいます。やはり男の子の方が頼りになりますね!

「こんなに量が……あんのかよ?」

「ハイ。そうですよ? 特に蓮さんや睦月さんなんかはたくさん食べますし。いつもは羅さんに手伝ってもらって寮まで運んでいるんです」

 私が説明しますと、翔さんは荷物を持って顔をしかめました。やはり付き合わせるのは悪かったでしょうか?

「今度から寮の奴らを付き合わせる。睦月辺りがよさそうだな。物質転送で送ってもらえるかもしれねぇ」

「そ、そうかもしれませんが……睦月さんに迷惑がかかるのでは?」

「寮長命令で行かせる」

 また理不尽な事を……。よくこれで嫌われませんね。
 私が疲れたようにため息をつきますと、翔さんが私の荷物に手をかけました。

「持つぞ」

「え、いいですよ。大丈夫です。翔さんだって結構重いものを——」

 任せちゃいましたし、と言い終わる前に翔さんに荷物をひったくられました。そしてそのままズンズン先に歩いて行きます。
 えーと……何かしましたかね?

「ビッチはビッチでも女だ。重い荷物を持たせる訳にはいかねぇ」

「……今日の翔さん、まるで空華さんが乗り移ったようです」


〜一方の空華〜

「へっくしょい! 誰か俺様の噂でもしてるのか?」

「案外『あいつ馬鹿じゃね?』とかいう噂だったりしてね」

「悠紀。そういう冗談はオブラートに包むもの」


 翔さんはくるりとこちらに振り向きますと、私に頭突きをしてきました。
 ゴインと音がして、目の前に星が散ります。まだ昼間だと言うのにもかかわらず、お星様が辺りにきらきらと〜☆

「俺をあんな女好きと一緒にするな」

 淡々とした口調で翔さんはそう言ってきました。
 確かに、考えてみれば翔さんと空華さんは正反対の性格をしていますね。翔さんは女の子が嫌いで、空華さんは女の子が大好き。
 あれ。でもよく考えてみますと、いつも一緒にいる昴さんとも案外性格は反対なのかもしれませんが……。

「昴とは昔から一緒にいる。家族ぐるみの付き合いからだな」

「へぇ。出会いはいつだったんですか?」

「あ? そうだな……。俺は死神だから1700年前ぐらいに生まれたけど……。死神の1歳はおよそ100年だからな。実質俺としては17年生きてるって事になる。昴とは生まれた時からの付き合いだ。俺は当時16だったが」

 100年に1度の誕生日ですか。
 死神って長生きなんですね。死を運ぶ神様だから、でしょうか?
 それでしたら、翔さんはたくさんの事を見てきたのかもしれません。少し訊いてみましょう。

「江戸時代は見ましたか?」

「ペリーの命を狩り損ねたのはちょっと悔しかったな。あれ、俺の兄貴が狩りやがった。俺も徳川慶喜を狩ったがな」

 徳川慶喜が死んだ時、翔さんがお迎えに行ったんですね。
 それはそれは、何とも面白いです。翔さんの人生はたくさんの事を経験してきたのですね。
 その時です。

「動くな」

 耳元で言葉を囁かれた瞬間、私の体は動かなくなりました。
 何でしょう。急激に眠く、なって、きました——。

「銀の鈴、確保」