コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: 黒影寮は今日もお祭り騒ぎです。オリキャラ募集!詳しくは本文へ ( No.56 )
日時: 2011/11/16 21:41
名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: GlvB0uzl)
参照: 亀更新万歳!! ゴメンなさい

第5章 しにがみのデート。


 何で私はこんなところにいるのでしょう?
 気がつけば、私は何故かロープで縛られていて、そして倉庫に転がされていました。どこの倉庫でしょうか?
 私の周りには3人の男性がいます。
 1人目は金色の髪をくるくるいじっている今時の若者。
 2人目は黒い髪で前髪は見えない少し暗めの少年。
 3人目は炎のように赤い髪をした、口元にピアスをつけた青年です。

「あの、私は何で縛られてるんでしょうか?」

「ひ、ヒィ! ごめんなさい、ごめんなさい!!」

 黒髪の子に訊いたら、いきなり謝られました。怯えているようです。
 すかさず赤い髪の青年が黒髪の少年を殴りました。

「馬鹿! 女相手に謝ってどうするんだよ、岬(ミサキ)」

「そ、そんな事を言ったって……炎(ホムラ)君……。相手は銀の鈴だよ? もし力を発動されたらどうする訳なのさ?」

 岬、と呼ばれた黒髪の少年は私の方を見てきました。
 炎、と呼ばれた赤い髪の青年は、ケタケタと笑います。

「おいおい。そんなのでビビってんじゃねぇよ。銀の鈴はキスしなきゃ力は与えられない。それぐらい、お前も知ってんだろ?」

「そ、そうだけど……」

「炎先輩。俺、彼女に呼ばれたんでもう帰っていいスか?」

「お前は空気を読めよ、姶良(アイラ)!!」

 姶良、と呼ばれた金髪の若者は、携帯片手に唇をとがらせました。

「おう。放っておいて悪いな。大丈夫だ、お前にゃ危害を加えねぇよ」

「だったらどうして縛っているんですか? 危害を加えないなら、何故——」

 炎さんは私の顎に手をやり、上に向かせました。
 引き込まれそうな赤い瞳が私を真っ直ぐに見詰めます。そして炎さんはにやりと不敵に笑いました。

「交渉するんだよ。お前を使ってな」

 まさか、銀の鈴を返してほしくば死ね!! 的な事でしょうか?
 ヒィ! そんなのは嫌です。黒影寮の皆様は死なせません! 死なせたくありません!!

「えい!」

「うがぁ?!」

 炎さんの顔面めがけて私は腕を振り上げました。
 見事にガツンッと腕が炎さんの鼻に当たります。骨と骨がぶつかり合う音がしました。
 赤くなった鼻を押さえつつ、涙目の炎さんは怒鳴ります。

「この女! 調子にのってんじゃねぇぞ!!」

「炎先輩ー」

「何だぁ!!」

 炎さんは姶良さんの言葉に反応し、ぐるりと振り返ります。
 姶良さんは変わらずに携帯を操りながら、倉庫の入り口を指しました。
 光を背負って現れたのは、死神装束を着た翔さんです。手には身長を超すぐらいに長い、柄の赤い鎌を握っています。
 翔さんはぐるりと辺りを見回しますと、チッと舌打ちをしました。

「面倒くせーな。何で捕まってんだよ、ビッチ」

「な、この状況でその名前を使いますか?!」

 いくら何でも酷過ぎるのでは?
 翔さんは倉庫の中に足を踏み入れ、炎さんの前に立ちました。そして嘲笑を浮かべ、言葉を紡ぎます。

「テメェか。うちの管理人をさらったのは」

「さらったのは心外な。交渉をしに来たんだよ、炎の死神」

 翔さんの眉がひそめられます。

「神威銀を——うち、安心院(アジム)寮にくれないか? 管理人として」

「「ハァ?」」

 これにはびっくりです。