コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 黒影寮は今日もお祭り騒ぎです。連載1周年突破! ( No.576 )
- 日時: 2014/06/23 23:07
- 名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: Qvi/1zTB)
エピローグ
私は夢を見ているのでしょうか。
だってねぇ。
目の前をですねぇ。
イチゴ柄のパンツが飛んで行ったのですが、どなたのでしょうか。
いやぁ、お久しぶりです。神威銀です。え? 覚えているって? ありがとうございます、何よりです。
さて話を戻しましょう。
私の目の前をイチゴ柄の可愛いパンツ——トランクス君が飛んで行ったんですが、あれは一体どなたのでしょうか。ていうか、あれきちんと私が干した奴じゃないですか。誰かが取り込んでくれたんですかね?
そんな訳なかったです。
「ハーッハッハッハッハッハ!! 睦月のパンツはイチゴ柄ぁぁぁぁ!!」
蒼空さんがケッタケタ笑いながら悠紀さんと一緒になって睦月さんのパンツを投げ合っていました、あれ睦月さんのだったんですね。
睦月さんはと言いますと、あれ? 何やら手の中に出現させましたよ?
「蒼空のエロ本ゲッツー。音読したろー。えっとなになにー?」
「やめろぉぉぉおおおおおお俺のバイブルぉぉおおおおおおおおおおお」
乙女の前でエロ本の音読は止めてくれませんかねー? 私ここにいますよー?
あはは、みんなもうしっちゃかめっちゃかですね。お祭り会場ですかここは。お神輿さーん出番です。
まあ、これが黒影寮の日常でありますから。私は慣れました。最初の時は多分慣れないでびっくりしているでしょうけど、こういうのはもう慣れです。慣れ。
世の中慣れなきゃアカン奴もあるのですよ。……私は一体何歳になったのでしょうね? まったくもう。
「ぎーんちゃん♪」
「私の背後に立たないでください」
「うぉ!? 何、殺し屋張りの肘鉄!? ちょ、ガチで銀ちゃん? 1文字変わって鈴ちゃんとかじゃないよね!?」
後ろから抱きつこうとしてきた空華さんへ、私は肘鉄を食らわしました。えぇ、愛の鞭です。あくまで愛の鞭です。
勘違いしないでくださいよ? 私は決して恥ずかしいとか思っている訳ではありません。えぇそうです。男の子の集団の中でも強くたくましく生きていくのがこの神威銀なのですから!
フフン、ドヤァ。
「……銀ちゃん。心の声が駄々漏れなのは気づいているのかな? そしてお顔は真っ赤ですよ」
「うひゃぁ!! それは思っていても口に出さない者ですよ!!」
どうして口に出してしまうんですか、男の子ってよく分からない。私よく分かんない。
うぅぅ、余計恥をかいただけじゃないですかヤダー。もう死にたい。泣きたい。
「銀ちゃん、泣かないでよぉ。俺様は女の子の涙が1番好きじゃないの。泣かせたくないなぁ」
「誰のせいだと……」
「ハイ、俺様のせいですね大変申し訳ありませんでした」
シュババッ!! と空華さんは素早く頭を下げてくれました。サラリーマンもびっくりも90度です、さすがです。
むぅ、これだから恨むに恨めない。
「……今回だけですからねっ」
「銀ちゃんって甘いねぇ。砂糖よりも」
「ならば俺が厳しくしてやろうか、眼帯忍者」
シュボッ! と。
空華さんの頭に、炎が灯りました。一瞬でしたが。
死神ルックに赤い鎌を肩に担ぎ、そして洋書を読んでいる翔さんが空華さんの後ろに立っていました。わぁ、空華さん頭が焦げてますよ。
「……テメェ……マジでぶっ殺してやろうかァァァン!?」
「ほう、死神を殺せるか!? やってみやがれ!!」
この2人って相変わらず仲が悪いですねー、喧嘩するほど仲がいいって言いますけどね。
まったくもう。
本当に、黒影寮は騒がしい人たちが多いですね。
天国のお父さん、お母さん。そしてどこかで生きているだろう珊瑚叔母さん。
私の友人の羅さん。白亜さん。
黒影寮の担任の零さん。お兄ちゃん。
鈴に鏡の向こうの神様天使悪魔鬼の皆様。
秘密結社『リヴァイアサン』の皆様。
ナイフ使いのレズなつかささん。
肉体変化ができる、短気でビビりで蓮さん。
言葉使いで他人を操る、のんびりというか面倒くさがりな悠紀さん。
霊と一緒になってお話していることが多い怜悟さん。
少しMのところもあるみたいですけど、お兄さん気質な超能力者の睦月さん。
いつもお馬鹿なことをしている、重力使いの蒼空さん。
しっかりもので明るい、闇の踊り子の昴さん。
頼れる皆さんの寮長で死神の翔さん。
何でもそつなくこなす、飄々とした忍者で私の好きな人——空華さん。
皆さんがいるから、こんなにも賑やかなんです。
そう。だから。
黒影寮は、今日もお祭り騒ぎですっ!
END