コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 黒影寮は今日もお祭り騒ぎです。企画・もしも彼らが○○だったら ( No.92 )
- 日時: 2011/12/21 21:32
- 名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: GlvB0uzl)
- 参照: 誰得赤ずきんww
黒影寮で赤ずきん 後編
狼は次におじいさんの家へ行きました。
コンコンッ
「ふわぁい……。誰?」
少しせき込みつつ、おじいさんはドアを開けます。
そこに立っていたのは銀髪の少年でした。ニッコリと笑っています。
「俺、おじいさんのお見舞いに来た」
「へぇ? ありがとう。どうせだから入りなよ。俺も馬鹿だから結構治ってきたけど」
おじいさんもニコニコとした笑顔で招きいれます。
その時です、少年はおじいさんの肩を掴みました。そして力を入れます。
「おじいさん」
「あの、痛いんだけど?」
「俺、お前の代わりになってやるよ」
訳の分からない台詞を言ったと思ったら、少年はおじいさんの姿となりました。
***** ***** *****
赤ずきんはおじいさんの家までたどり着きました。バスケットをぶんぶんと振りまわしつつ、ドアをノックします。
コンコン、と乾いた音が響き、直後、ドアが開きました。
顔を見せたのは、ニコニコの笑顔を浮かべたおじいさんです。
「やぁ、赤ずきんや。よく来たね」
「よう。テメェ、寝てなくていいのかよ? 悪化して死んでも知らねぇぞ。俺は死神だから、テメェの命も狩らなければならないからな」
赤ずきんはそんな物騒な事を言いつつ、バスケットをおじいさんに手渡しました。そして怪しげに眉をひそめます。
おじいさんは首を傾げて赤ずきんに訊きました。
「どうしてそんなに睨みつけるんだい?」
「……昴。テメェ、銀髪だったか?」
おじいさんは自らの髪に触れます。そう、おじいさんの髪は綺麗な銀髪でした。
赤ずきんはおじいさんを警戒し、ずりずりと後退し始めました。手には炎をあふれ出している大鎌が握られています。
「どうして逃げるんだい?」
「昴は茶髪だ。ウィッグなんかかぶってないはずだ。ビッチも銀髪のままだったし……。テメェは一体——誰だ?」
おじいさんは笑います。くすくすと、そして高らかに声を上げて。
赤ずきんは警戒心を高め、戦闘態勢に入りました。
と、そこへ。
「おーい。ここって森のおじいさんの家だよね。おじいさんが外に捨てられてたよー?」
たまたま通りかかった猟師に背負われて、おじいさんが帰宅しました。
猟師は銀髪のおじいさんと背負っているおじいさんを見比べて、そして言います。
「蓮。肉体変化をやるなら気を抜かない事だな。髪が戻ってるぞ」
「げっ?! うわ、マジだ!!」
おじいさんは鏡で確認し、そして顔を青ざめさせました。
何故でしょうか?
それは、赤ずきんが怒ったからです。
「よぉう。狼ぃ? テメェ、本当に丸焼きにされたいらしいなァ?」
「ひ、ヒィィイイ! 寮長が怖ェェェ!! 空華、何とかしろぉ!!」
「無理無理! 俺様も翔にだけは対抗できない!! 昴、昴起きろぉ!!」
「ふわ、い。んー。あれ、翔ちゃん可愛らしい格好をしてるじゃん? 赤ずきんの格好? 下はスカートじゃないのが残念だけど」
「テメェらそこに土下座しろぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」
赤ずきんは鎌を振り上げて、3人をふっ飛ばしました。めでたしめでたし。