コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 黒影寮は今日もお祭り騒ぎです。企画・もしも彼らが○○だったら ( No.93 )
- 日時: 2011/12/22 21:47
- 名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: GlvB0uzl)
- 参照: 誰得赤ずきんww
第7章 英学園の愉快な文化祭
〜空華視点〜
銀ちゃんにはばれたくない。
絶対にばれてほしくない。この存在を知られてほしくない。
俺様は決めた。
今日は絶対に、何があっても銀ちゃんの前には姿を現さない……!
***** ***** *****
「英学園の文化祭ですか? ハイ、チケットは持ってますけど……」
黒影寮に私は1人でいました。
今日は皆さん文化祭でいません。文化祭は土日でやるので、今日はその1日目らしいのです。
実は、皆さんにすごい形相で「絶対来るな」と言われていたのですが……。
『私は行ってみたいんスよね。あそこ私立でしょ? 結構豪華な出し物とか模擬店とか出るんじゃないかって予想をしてたんスけど』
携帯電話のスピーカーから聞こえるのは白亜さんの声です。
白亜さんは英学園の文化祭に興味があるようですが、私は「来るな」と言われてるので……。
『どうしてもダメっスか?』
「ハァ……。別に行きたくない訳じゃありませんが、むしろ行きたいのです。ですが皆さんに来るなと言われていますので……」
『それじゃ仕方ないっスね』
電話越しに、白亜さんはため息をつきました。そしてこう告げます。
『行かなかった場合は黒影寮に羅さんを仕掛けますよ? 黒影寮で2人きり——いつも救ってくれる頼れるメンズはいねぇっスからね。貞操を守れるでしょうか?』
「行きます行きます行かせてもらいますだから羅さんをこちらに仕掛けないでください私が危ないです——!!」
よかったー、と白亜さんの安心した声が聞こえてきました。
こっちも安心です。2人きりの状況で羅さんは何をしてくるか分かりませんから……。
『あ、ところで。私と神威さんと羅さんと——あともう1人いるんスよ。参加してもいいスか?』
「えぇ。別に構いませんよ?」
『比ひかげさんっスよ』
……え、何と?!
と言う訳で来ました、英学園。校門には豪華な装飾が施された手作りの門があります。
そこに私と白亜さんと羅さん、そして先輩の比ひかげ先輩がいました。ひかげ先輩は灰色の帽子をかぶっていて、先輩にはとても見えない先輩です。
ひかげ先輩は門を見上げ、そしてつぶやきました。
「何か……美味しそう☆」
「いや、門は食べないでくださいよ?」
そんなひかげ先輩に一応注意をしてから、私は英学園の中に足を踏み入れました。
敷地内はとても広く、1種の町みたいです。ところどころに模擬店が置かれていて、商店街にも見えました。
「銀ちゃん、あれ美味しそうじゃない?」
「そうですね。でもパンフレットをもらってからにしましょう。受付を探さなくては!」
前回(ラブ・ポーションの回)の時に来た時は正直迷いましたからね……!
受付を探してふらふらしていますと、声をかけられました。誰でしょう?
「あれ。銀じゃん」
「悠紀さん!」
「あ、イケメン!!」
羅さんがベンチに座っている悠紀さんに威嚇します。
悠紀さんは鮮やかに無視を決め込みますと、訊いてきました。
「どうして来たの。来るなって言ったのに」
「あ、いえ。その。誘われまして……?」
「ふーん」
悠紀さんはジロリと白亜さんと羅さんとひかげ先輩に目を向けます。そしてため息をつきました。
「まぁいいや。僕は今、出番じゃないし。休憩中だし」
「? 何かやってるのですか?」
「特別クラスでね」
よっ、という掛け声と共に、悠紀さんはベンチから立ち上がりました。
「行きますか? 特別クラスに」
悠紀さんは悪魔のような笑みを浮かべながら、言いました。