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Re: 黒影寮は今日もお祭り騒ぎです。企画・もしも彼らが○○だったら ( No.95 )
日時: 2011/12/25 22:02
名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: GlvB0uzl)
参照: 誰得赤ずきんww

第7章 英学園の愉快な文化祭


 連れてこられたのは特別クラスの教室。壁に立てかけられた看板には、『メイド喫茶』と書かれていた。
 ……メイド喫茶?

「そうそう。メイド喫茶。僕らが女装してるの」

「え?! 女装?!」

「おい高梨羅。今回は全員イケメンじゃないから安心して入れるぞ。よかったなー」

 悠紀さんは嫌みを言うように羅さんに言いました。
 女装と言いますと、あの時の皆さんを思い出します(参照:第2章)
 特に翔さんははまり役でしたね。

「行ってらっしゃいませ、ご主人様〜☆」

 すると、教室のドアががらりと開かれました。中からでれでれと鼻の下を伸ばした男の人が数名出てきます。
 見送ったのは茶色の髪のメイドさんです。
 どこかで見た事あります。

「よう昴ちゃん。調子はどうだい」

「悠紀……! お前がこんな出し物を提案したから! 零が面白がって『あ、それいいじゃん面白そうじゃん』みたいな事を言ったんだ——って銀ちゃん?!」

 噛みつくように叫んでいた昴さんは、私を見た途端飛び上がりました。
 今の昴さんの容姿を説明します。
 茶色いセミロングは、毛先をカールさせています。純白のヘッドドレスに漆黒のメイド服。ひらひらのエプロンが目につきます。
 女の私から見ても可愛らしいです。

「ちょ、かわ……ッ?! ぎ、銀ちゃんあの格好してあたしのところにご奉仕しに来ない?!」

「行きません」

 鼻血を出す寸前の羅さんが、血迷った事を言ってきました。

「んー。ここって女装するのがルールなの? それともあれ? ただの趣味?」

 ひかげ先輩、それは喧嘩を売ってるにしか思えません。

「椎名さん綺麗スねー。そのまま誰か男の人と付き合えそうじゃないスか? ほら、あの、矢崎辺りとか?」

「嫌だ、血に飢えてそうだから」

 昴さん、それでは理由になりませんよ?
 それに白亜さんも、おちょくるのを止めてください。ストレスになりますから、相手の。

「ったく、何で来ちゃったの? 翔ちゃんに怒られるよ? あと悠紀、お前は怒られるどころじゃないからな。黒影寮全員で殺しにかかると思うから」

「やだな。僕はスポンサーなのに?」

「スポンサーも何も、ほったらかして逃げる奴がどこにいるよ。羅ちゃんその子の服を分解させちゃいなさい!」

「可愛いメイドさんの命令なら喜んで! その代わり、あとでメイド服分けてください銀ちゃんに着させます」

「何を言ってるんですか羅さんー!!」

 冗談じゃないですよね?!
 羅さんはきらきらした目で悠紀さんの制服(下着除)を分解させました。

「……ちょっと?」

「さぁ悠紀ちゃん? ゴ奉仕ノ時間デスヨー?」

 ちょっと目のイッた昴さんは悠紀さんにヘッドロックをかけて、教室の中へ引きずり込んでいきました。
 ……少し興味ありますね。皆さんの女装は様になりますから。

「行ってみますか?」

「OKです。私、黒影寮の全員に興味あります(女装に関して)」

「可愛いメイド……ハァハァ。銀ちゃんメイド……!!」

「羅さん戻ってきてください。もはやそれ、悪霊と化してます」

 閉ざされた教室のドアに手をかけました。
 開きます。

「「「「「お帰りなさいませ、ご主人様ー☆☆」」」」」

 可愛らしい笑顔を浮かべてお出迎えしてくれた黒影寮全員。
 ですが、次の瞬間、私の名前を叫んで表情を固まらせました。